スカラ座へ
夜7時過ぎにホテルを出て、スカラ座へ。出し物はドニゼッティ作曲の《連隊の娘》。
プロダクションは、ゼッフィレッリによるものだが、以前からあるものであり、フローレスやランカトーレといった人気歌手の出番が終わっていたので、買えたのだと思う。
劇場があくのを待つのは歩道であったが、皆文句も言わずに待っている。面白いのは、平土間その他と、ガレリア(最上階に近い席)では、入り口が違うのである。
ガレリアへは、階段またはエレベータで行ける。Maschera と呼ばれる案内係も昔は男が多かったそうだが、今は女性が多い。スカラ座は、マスケラの服装も格好がよく、エレガントである。
僕の席は、最上階から2番目の階で、ここも loggione (天井桟敷)と言うかとマスケラに尋ねると、マスケラ同士で相談して、「私は言うと思うけど、彼女は最上階だけだと言っている」と意見が割れていた。なるほど。言葉は、生き物だから、使い方が人によって異なることは珍しいことではない。
壁にくっついた席だが、舞台もけっこう見える。フランス語上演であったが、前の座席の背中に液晶画面があって、言語が選べる。僕はイタリア語を選択したが、隣の客はフランス語を選択していた。
ガレリアは音がとても良い。あとで、イタリア人に聞いたところでは、むしろ平土間よりも、音に関してはよく響くとのことであった。
ところどころに、どう入ってくるのか立ち見客もいる。この立ち見は常連客と言った風情であった。老人もいれば、若者もいた。孫娘をつれたおばあさんもいた。これなら、イタリアのオペラの未来は、まだ大丈夫そうだ。日本のオペラの客層の方が、老齢化が進んでいると感じた。
演奏は、オケは素晴らしく、コーラスも良く、歌手はまあまあで、指揮者がもう一つといったところだった。しかし、スカラ座上演を体験したということが最大の収穫。
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