2008年8月 8日 (金)

リスボンの交通事情

Lisbon Photo

ポルトガルの首都リスボンはとても面白い町であった。

興味深い点はいくつもあったのだが、今回は交通機関に限定して書く。

リスボン(リシュボアと地元の人は発音していた)には、昔懐かしい市電が走っている。床が木で、チンチンと鳴る。

その同じ場所を、トラムも走っていたりする。さらに、違う路線では、大型バスも走っていれば、非常に小振りのバスも走っている。

ある区間は上に記した複数の乗り物が重複して走っているのだ。

場所は異なるが、地下鉄もある。リスボンは海と川に面した町だが、水際には普通の電車も走っている。

さらに、タクシーもあるのだが、ポルトガルのタクシーはなぜかメルセデス・ベンツが過半数をしめている。そこで懐かしい190がまだ走っているのである。190は、もう随分前にCクラスという名前にモデルチェンジしてしまい、日本ではほとんどみかけない。

しかし、乗ってみると明らかにCクラスとは乗り心地が異なる良い車である。個人的には190の乗り心地の方が石畳には気持ちが良い。Cクラスのほうが揺れを押さえ込む感じである。190はより自然に揺れる。

僕は、乗り物オタク、あるいはマニアではないので、マニアの人がどれほどの満足を得られるレベルなのかは判らないが、素人なら素人なりに、様々な乗り物に乗って楽しかった。

チンチン電車は、決して観光のためでなく、地元の人が利用している現役の乗り物であった。

リスボンは真ん中が平らだが、両脇は丘状になっていて、坂がかなりきつく、フニクラもある。

地下鉄の主要駅では、一日どの公共交通機関にでも乗り放題という切符を売っている。二日券もある。とても便利である。(タクシーはこの券では乗れません、念のため)。

首都ともなると都市の規模が大きく、見所の美術館、博物館や教会、修道院、展望台はあちこちに散らばっているのだが、そこへ様々な交通手段でいくという楽しみが加わるのである。

古いのも、新しいのもあって、たとえば、チンチン電車と、最新式トラムの乗り心地を比較することが容易に出来る。ベンツのCクラスと190の乗り較べもいとも簡単にできてしまうのである。

古いもの、味わい深いです。ヨーロッパにいると、建物、教会、遺跡、より古い方が格が高いというか、重要度が増す感じであるが、交通機関もそういう味わい方になってくるのかもしれない。

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2008年1月31日 (木)

キルメイナム刑務所

Photo ダブリンの町の端にあるキルメイナム刑務所。

刑務所の中庭(といっても高い塀に囲まれているのだが)で、1916年の復活祭蜂起(Easter Rising)のリーダーたちが処刑されたのである。

一時は使用されなくなった刑務所で、朽ち果てていたが、保存運動により、この場所がこうして後世の人間が訪れ、往時に思いをはせることができるのである。

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2008年1月 6日 (日)

イェイツの家

Photo 2007年夏にアイルランドに行き、イェイツの家でもあった塔を見た。

イェイツはこの塔を、グレゴリー夫人から買ったのである。すぐ、足元を川がながれ、あたりは家もまばらで、水音しかしない。

イェイツはこうした環境の中で、詩想を練っていたのだ。

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2007年5月 7日 (月)

カルロ・フェリーチェ劇場

Carlo_felice_2 Carlo_felice                                                                                       2時45分から7時前までカルロ・フェリーチェ劇場で『道化師』と『カヴァレリア・ルスティカーナ』を観る。

カルロ・フェリーチェ劇場は、ジェノヴァが港町であったため第二次大戦中に爆撃を受け、戦後は閉鎖されていて、1991年に再開された。

もともとは1828年に建てられたのであるから、古い劇場ともいえるし、再開から数えれば新しい劇場ともいえる。こういう場合、ヨーロッパ人は、歴史は古いのだということを強調する。ジェノヴァのこの劇場は、オペラとバレエのシーズンを持っており、ラインナップはなかなか意欲的であると思う。

『道化師』は、舞台で見ると、脚本が良く出来ていることがわかる。単なるヴェリスモというのではなくて、劇中劇のある面白さ、役者が劇のなかで自分を抑えられなくなる不条理さなどが、ピランデッロを想起させる。

『カヴァレリア』は、合唱において、男性合唱と女性合唱のかけあいが音楽的にも面白かった。この演目は、合唱曲も実にメロディーが魅力的なのである。

歌手ではリチートラが良かった。指揮のブルーノ・バルトレッティは大ベテランである。

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無線LAN

Lanジェノヴァのホテルでは、自室でなく、二階の新聞を読むためのデスクのところに無線LANの機械が置いてあった。

ここで、libero.it からクレジット・カードを用いて買う。

ジェノヴァのホテルは、今回の旅行でここだけが4つ星(あとは3つ星)なのであるが、それでインターネット環境はこの程度である。しかし、これでもましだったことが後に判ったのだった。

3つ星では、インターネット出来ますとホームページに書いてあっても、あまりあてにならない。これまで数度、工事中とか、電波が混線して使用できないとか、結局使えないところが去年、今年と何軒かあった。

というわけで、現在のところ、ホテルの中でネットが使えれば上等とせねばならないのである。

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2007年5月 3日 (木)

ジェノヴァへ

Genova_1                                        ミラノ中央駅(Milano Centrale) を9時10分にでて、10時50分にジェノヴァ・プリンチペ駅に着く。

ジェノヴァの場合、主要鉄道駅が、町の西と東にあり、西がプリンチペ駅、東がブリニョーレ駅であり、すべての列車が両方に停まるわけではないので、ちょっと注意が必要だ。

ジェノヴァにいたるまでの途中は山がちであり、わずかな海岸線の平地にへばりつくように家が密集している。さらには、丘の上まで家々が立ち並んでいる。

中心部には、意外なほど、立派な建物が残っており、日本でのジェノヴァの観光都市としての知名度の低さが惜しまれる。ただし、港の近辺は、港町独特の雰囲気で、やや荒っぽい感じもする。移民も相当数にのぼるものと思われる。

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物価高

Panini

パニーニ(上)

ユーロが高い、1ユーロ160円ほどである。

数年前には、1ユーロ100円を切っていたのだからえらい違いで、そこから上がったにしても近年は120から130円くらいだった。

ユーロ高と、イタリアのユーロ導入以来の物価上昇がダブルパンチとなって、食事はどこでどうとっても高い。

たとえばミラノで、パニーニ2つと水(500cc)をかって10ユーロ(1600円)である。

ジェノヴァで、定食のように決まったもので12~13ユーロ。夜、決してきどったレストランではないところで、パスタや魚をとったら、30,5ユーロだった。胃が疲れないようにするためと、倹約のため、バールでパニーニ類を買うことが多くなった。

パニーニは、中にトマトやチーズ、ハム、ツナなどが入っており、おいしいし、栄養のバランスも結構とれているかと思う。野菜が少し足りなめだが。

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スカラ座へ

Scala1Scala_1 スカラ座から見た闇に浮かぶドゥオーモ

夜7時過ぎにホテルを出て、スカラ座へ。出し物はドニゼッティ作曲の《連隊の娘》。

プロダクションは、ゼッフィレッリによるものだが、以前からあるものであり、フローレスやランカトーレといった人気歌手の出番が終わっていたので、買えたのだと思う。

劇場があくのを待つのは歩道であったが、皆文句も言わずに待っている。面白いのは、平土間その他と、ガレリア(最上階に近い席)では、入り口が違うのである。

ガレリアへは、階段またはエレベータで行ける。Maschera と呼ばれる案内係も昔は男が多かったそうだが、今は女性が多い。スカラ座は、マスケラの服装も格好がよく、エレガントである。

僕の席は、最上階から2番目の階で、ここも loggione (天井桟敷)と言うかとマスケラに尋ねると、マスケラ同士で相談して、「私は言うと思うけど、彼女は最上階だけだと言っている」と意見が割れていた。なるほど。言葉は、生き物だから、使い方が人によって異なることは珍しいことではない。

壁にくっついた席だが、舞台もけっこう見える。フランス語上演であったが、前の座席の背中に液晶画面があって、言語が選べる。僕はイタリア語を選択したが、隣の客はフランス語を選択していた。

ガレリアは音がとても良い。あとで、イタリア人に聞いたところでは、むしろ平土間よりも、音に関してはよく響くとのことであった。

ところどころに、どう入ってくるのか立ち見客もいる。この立ち見は常連客と言った風情であった。老人もいれば、若者もいた。孫娘をつれたおばあさんもいた。これなら、イタリアのオペラの未来は、まだ大丈夫そうだ。日本のオペラの客層の方が、老齢化が進んでいると感じた。

演奏は、オケは素晴らしく、コーラスも良く、歌手はまあまあで、指揮者がもう一つといったところだった。しかし、スカラ座上演を体験したということが最大の収穫。

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電車の切符

Hotel_star_1  サンタンブロージョ教会のあたりでは、タクシーはひろえないので(イタリアにはあまり流しのタクシーというものはいない)、コルソ・ポルタ・ティチネーゼまで歩いて戻る。途中で、親切な老紳士が道を教えてくれた。

ホテルで、明日のジェノヴァ行きの電車の切符がどこで買えるかを尋ねる。もう6時になっていたが、幸い、近所の旅行代理店がまだ開いており、21ユーロで買えた。駅まで行くよりずっと近いので、こういう時は、ホテルのフロントの情報がものを言う。

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サンタンブロージョ教会

Santambrogio2Santambrogio_4サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会から、サンタンブロージョ教会へ歩いていく。600~700メートルといったところか。

地図で見ると、この脇にミラノ・カトリック大学があり、教会前広場は、学生が往来している。

教会は、赤茶色の渋いレンガが特徴的である。下の写真に見るように回廊(1088-99建造)に囲まれた中庭(atrio) が美しい。敷石も心地よいリズムで幾何学模様になっている。さらには、正面の三角形と周りの回廊にあるアーチも、大・中・小のリズムを形成している。

中にはいると San Vittore in Ciel d'Oro という礼拝堂が右奥にあり、ここは4世紀の建造、5世紀のモザイクがあって、ラヴェンナのようである。

聖アンブロージョは言うまでもなく、ミラノの守護聖人であり、スカラ座開幕の12月7日は、アンブロージョがミラノ司教に叙階された記念日である。

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