リスボンの交通事情
ポルトガルの首都リスボンはとても面白い町であった。
興味深い点はいくつもあったのだが、今回は交通機関に限定して書く。
リスボン(リシュボアと地元の人は発音していた)には、昔懐かしい市電が走っている。床が木で、チンチンと鳴る。
その同じ場所を、トラムも走っていたりする。さらに、違う路線では、大型バスも走っていれば、非常に小振りのバスも走っている。
ある区間は上に記した複数の乗り物が重複して走っているのだ。
場所は異なるが、地下鉄もある。リスボンは海と川に面した町だが、水際には普通の電車も走っている。
さらに、タクシーもあるのだが、ポルトガルのタクシーはなぜかメルセデス・ベンツが過半数をしめている。そこで懐かしい190がまだ走っているのである。190は、もう随分前にCクラスという名前にモデルチェンジしてしまい、日本ではほとんどみかけない。
しかし、乗ってみると明らかにCクラスとは乗り心地が異なる良い車である。個人的には190の乗り心地の方が石畳には気持ちが良い。Cクラスのほうが揺れを押さえ込む感じである。190はより自然に揺れる。
僕は、乗り物オタク、あるいはマニアではないので、マニアの人がどれほどの満足を得られるレベルなのかは判らないが、素人なら素人なりに、様々な乗り物に乗って楽しかった。
チンチン電車は、決して観光のためでなく、地元の人が利用している現役の乗り物であった。
リスボンは真ん中が平らだが、両脇は丘状になっていて、坂がかなりきつく、フニクラもある。
地下鉄の主要駅では、一日どの公共交通機関にでも乗り放題という切符を売っている。二日券もある。とても便利である。(タクシーはこの券では乗れません、念のため)。
首都ともなると都市の規模が大きく、見所の美術館、博物館や教会、修道院、展望台はあちこちに散らばっているのだが、そこへ様々な交通手段でいくという楽しみが加わるのである。
古いのも、新しいのもあって、たとえば、チンチン電車と、最新式トラムの乗り心地を比較することが容易に出来る。ベンツのCクラスと190の乗り較べもいとも簡単にできてしまうのである。
古いもの、味わい深いです。ヨーロッパにいると、建物、教会、遺跡、より古い方が格が高いというか、重要度が増す感じであるが、交通機関もそういう味わい方になってくるのかもしれない。
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