Gozzano (ゴッツァーノ)

2009年1月25日 (日)

Gozzano: La medicina

                    薬
                       美声のC.R.夫人に

どんな悲しい苦しみが僕を消耗させるのか、知らない。
僕は病み、最悪の日々...
手摺りの小柱の間に海がきらめく
棕櫚が生え、柑橘類の実がなるところだ。

ああ!あなたがここにいたら、この花々の間に、
友よ!この香しさのなかに美しい声が聞こえたら!
あなたが、僕らの甘美な欺き人の
すべての本を携えてきたなら!

あなたは「結びの歌」や「鹿の死」あるいは
「種蒔き」を朗唱してくれるだろう...これらの
美しさは、空気よりも、太陽よりも、

僕をもう一度健康で強くしてくれるだろう!
僕は治るだろう!あなたが、言葉の
偉大な力で僕を癒してくれるだろう!

(訳者妄言)
ゴッツァーノの詩集La via del rifugio の中の一篇。病んでいる詩人(語り手)を癒すものは、美しい声(の持ち主)であり、彼女が読んでくれる詩の言葉の力である。
「結びの歌」(Congedo) は、カルドゥッチの詩集Rime nuove の掉尾を飾る詩。「鹿の死」(Morte del Cervo)はダンヌンツィオの詩集Alcyone の一篇。「種蒔き」(La Sementa)はパスコリの Primi poemetti に収められている。

この詩は、詩についての詩、メタ詩と言えるだろう。詩人を甘美な欺き人と呼んでいるわけであるから、「詩が語り手を健康にするだろう」と言ってはいるが、あり得ないと知りつつ騙されている、という解釈が成り立つ。

原文は、

Non so che triste affanno mi consumi:
sono malato e nei miei di' peggiori...
Tra i balaustri il mar scintilla fuori
la zona deei palmeeti e degli agrumi.

Ah! Se voi foste qui, tra questi fiori,
amica! O bella voce tra i profumi!
Se recaste con voi tutti i volumi
di tutti i nostri dolci ingannatori!

Mi direste il Congedo, oppur la Morte
del Cervo, oppure la Sementa... E queste
bellezze, piu' che l'aria e piu' che il sole,

mi farebbero ancora sano e forte!
E guarirei: Voi mi risanereste
con la grande virtu' delle parole!

ソネット(14行詩)である。韻は、前半の8行が、a b b a b a a b と二種類の韻だけで出来ている特殊な形。後半の6行は、c d e c d  e となっている。

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2009年1月23日 (金)

Gozzano: L'assenza

       不在

キス。長い。奥で、
離れて、そこで森の道に
迷うのだが、それは緑の中の
大きな廊下のよう。

再びここを登るが、そこでほんの少し前
彼女は美しいグレーの服を着ていた。
フック、小説、あらゆる微かな
名残りを目にする…

バルコニーでかがむ。頬をだらりと
手すりにもたれかける。
悲しいのではない。もう
悲しくはない。今晩、帰ってくる。

あたりに夏が沈む
朱色のゼラニウムの上に、
尾のついた羽が震え、
巨大なアゲハ蝶が空に舞う…

一日の無限の青は
ぴんと伸ばした絹のよう。
その静かな拡がりのうえに
月はもう帰ることを考えている。

沼が光る。蛙が鳴くのを
やめる。が、鮮やかなエメラルドの、
燃える青の閃光が
きらめく。カワセミが...

僕は悲しくない。庭を見て
驚いているだけだ...
何に驚いているのだ?これほど
子供のように感じたことはなかった...

何に驚いているのだ?いろいろなこと。
花までが見知らぬものに見える。
いつもと同じ薔薇なのに。
いつもと同じジェラニウムなのに...


(訳者妄言)
グイド・ゴッツァーノの詩集 I colloqui (会話)(1911)の中の一篇。初出は、1910年で《Riviera ligure》に掲載された。

いとしい女性との別れ。彼女の名残りの品々までいとしい思いで見ている。一人になってみると、見慣れたはずの庭がまた別のものに見えてくる。

いくつかのフレーズには、ダンヌンツィオやフランスの詩人ジャムのエコーがある。

また、1907年の草稿によると、この別れを惜しんだ(ただし、その晩には帰ってくるのであるが)女性は、母親であった。

原文は、

Un bacio. Ed e' lungi. Dispare
giu' in fondo, la' dove si perde
la strada boschiva, che pare
un gran corridoio nel verde

Risalgo qui dove dianzi
vestiva il bell'abito grigio:
rivedo l'uncino, i romanzi
ed ogni sottile vestigio...

Mi piego al balcone. Abbandono
la gota sopra la ringhiera.
E non sono triste. Non sono
piu' triste. Ritorna stasera.

E intorno declina l'estate.
E sopra un geranio vermiglio.
fremendo le ali caudate
si libra un enorme Papilio...

L'azzurro infinito del giorno
e' come una seta ben tesa;
ma sulla serena distesa
la luna gia' pensa al ritorno.

Lo stagno risplende. Si tace
la rana. Ma guizza un bagliore
d'acceso smeraldo, di brace
azzurra: il martin pescatore...

E non sono triste. Ma sono
stupito se guardo il giardino...
stupito di che? non mi sono
sentito mai tanto bambino...

Stupito di che? Delle cose.
I fiori mi paiono strani:
ci sono pur sempre le rose
ci sono pur sempre i gerani...
 

一つの連が4行で、第一連を見るとわかるように、Dispare, perde pare verde で a b  a b 型の交差する韻となっている。第二連以下も同じく、一連が4行で、交差韻を用いて規則正しく書かれている。

ただし第5連が例外で、giorno tesa distesa ritorno で、 c d d c 型、抱擁韻になっている。第5連は、天空の世界が話題になっており、他の連との違いを際だたせるために韻の形を変えたのかもしれないし、また、すべての連が同じ韻の形では単調と考えて、変化をつけるという意図があったのかもしれない。

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2009年1月22日 (木)

Gozzano: L'amica di nonna Speranza (5)

             スペランツァおばあちゃの友達

             V

カルロッタ! 上品ではない名前だが、香水のように
乗り合い馬車、ショール、クリノリンを思い起こさせる...

おばあちゃんのお友達、あなたがフォスコロの
感傷的な本で、悲しいヤーコポの事件を読んでいた花壇を僕は知っている。

悲しみに満ちてあなたをアルバムの中に見つめる、あなたの字で
日付がある;1850年6月28日。

あなたは賛美歌でも歌うようにうっとりとしている。空の彼方へのまなざし
唇に人差し指、ロマンティックな仕草そのもの。

あの日ーー憂鬱ーーあなたは薔薇色の服を着ていた
自分をーー発明されたばかりの!ーー写真に撮らせるため...

でもあなたは花の中にはいない、おばあちゃんのお友達!今はどこ
もしかすると、あなたは僕が愛せる、心から愛せる唯一の人?

(訳者妄言)
フォスコロの本というのは、ウーゴ・フォスコロの『ヤーコポ・オルティスの最後の手紙』という書簡体の小説で、ゲーテの『ヴェルテル』の影響を受けたもの。

写真は、1850年当時は、まだ真新しいもの、であった。「賛美歌」と訳した部分は cantico であるが、註によっては、これを Giovanni Prati の詩とするものもある。

最終行は、ゴッツァーノのテーマの一つで、目の前にはいない人への憧れが、現実の女性への気持ちよりも強くなってしまうということ。

原文は、

Carlotta! nome non fine, ma dolce che come l'essenze
resusciti le diligenze, lo sciallee, la crinoline...

Amica di Nonna, conosco lee aiole per ove leggesti
i casi di Jacopo mesti nel tenero libro del Foscolo.

Ti fisso nell'albo con tanta tristezza, ov'e' di tuo pugno
la data: ventotto di giugno del mille ottocentocinquanta.

Stai come rapita in un cantico: lo sguardo al cielo profondo
e l'indice al labbro, secondo l'atteggiamentto romantico.

Quel giorno--malinconia--vestivi un abito rosa,
per farti--novissima cosa!--ritrarre in fotografia...

Ma te non rivedo nel fiore, amica di Nonna! Ove sei
o sola che, forse, potrei amare, amare d'amore?

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2009年1月21日 (水)

Gozzano: L'amica di nonna Speranza (4)

        スペランツァおばあちゃんの友達 

          IV

ああ、バドミントンをして、あまりに激しく攻めたてられ、
マロニエの枝の上から落ちてこない!

二人は手すりに凭(もた)れかかり、湖をみて
15歳の時の夢で予感した愛を夢見ている。

「ああ、あの美しい歯をあなたが見たなら!」ー「何歳?...」ー「28よ」。
「詩人?」―「マッフェイ伯爵夫人のサロンに出入りしてるのよ!」

一日は、死にたがらず、衰弱しない。いよいよ緋色に
燃える。まるで、血の烙印をおされた曙のように。

とうとう消えるが、ゆっくりと。山々は一斉に黒くなる。
太陽は、黄金を脱ぎすて、月は銀をまとう。

淡い光輪につつまれたロマンティックな月よ、お前は
ポプラのたてがみに触れるが、子供の眉毛のようにアーチ形。

すべての過去の夢がお前の曲線に宿っている。
お前は、雑誌ノヴェッリエーレ・イッルストラートから出てきたのか?

美女パリジーナの人気(ひとけ)のない家をみた?
もしかして、もしかして、あの若きヴェルテルに愛された人ではないの?

「...さあ!」「未知の夢!」ー「湖には、もっと密に星が
ある」ー「...何を考えてるの」ー「考えてないわ」ー「...死ぬって好き?」

「ええ!」「空は水の中より多くの星と光を見せているわ。
手すりに屈んでごらんなさい。夢見ましょう、二つの空の間に...」

「まるで宙ぶらりんになったみたい!高いところに吊るされて...」ー「あの方、マッツィーにとも知り合いなの...」
ー「愛してるの?...」ー「なんて神々しいおっしゃりよう!」ー「あの方があの本をくださったの」

覚えてる? 愛してもかいがなくて、
その人は、私と同じ名前の人のために自殺してしまうお話なのよ」

(訳者妄言)
ゴッツァーノの「スペランツァおばあちゃんの友達」の第4セクション。二人の女友達は、庭に降りて、湖のほとりで、湖に映った星と空の星を見較べながら、恋人の話をしている。恋人がくれた本は、ゲーテの『若きヴェルテルの悩み』で主人公ヴェルテルが恋する相手がシャルロッテ(Charlotte)で、イタリア語風にはカルロッタ(Carlotta)となり、同じ名前と認識されている。

月は三日月の形を、子供の眉毛にたとえている。

14行目のNovelliere Illustrato というのは、トリノの雑誌の名前で、ロマンティックな大衆小説や詩が掲載されていた。

15行目のパリジーナは、イギリスの詩人バイロンが書いた詩の女性主人公であるが、フェッラーラのエステ家のニッコロ3世の妻であった。1425年義理の息子との恋が発覚し、二人ともに処刑された。バイロンは、詩に書くときに、処刑されたのを息子だけに変えたのだった。

原文は、

Oime'! che giocando un volano, troppo respinto all'assalto,
non piu' ridiscese dall'alto dei rami d'un ippocastano!

S'inchinano sui balaustri le amiche e guardano il lago
sognando l'amore presago nei loro bei sogni trilustri.

《Ah! se tu vedessi che bei denti!》--《Quant'anni?...》--《Ventotto》.
《Poeta?》--《Frequenta il salotto della contessa Maffei!》

Non vuole morire, non langue il giorno. S'accende piu' ancora
di porpora: come un'aurora stigmatizzata di sangue;

si spenge infine, ma lento. I monti s'abbrunano in coro:
il Sole si sveste dell'oro, la Luna si veste d'argento.

Romantica Luna fra un nimbo leggiero, che baci le chiome
dei pioppi, arcata siccome un sopracciglio di bimbo,

il sogno di tutto un passato nella tua curva s'accampa:
non sorta sei da una stampa del Novelliere Illustrato?

Vedesti le case deserte di Parisina la bella?
Non forse non forse sei quella amata dal giovine Werther?

《...mah! Sogni di la' da venire!》--《Il Lago s'e' fatto piu' denso
di stelle》--《...che pensi?》-- 《Non penso.》--《...Ti piacerebbe morire?》

《Si'!》--《Pare che il cielo riveli piu' stelle nell'acqua e piu' lustri.
Inchinati sui balaustri: sognamo cosi', tra due cieli...》

《Son come sospesa! Mi libro neell'alto...》―《Conosce Mazzini...》
--《E l'ami?...》--《Che versi divini!》--《Fu lui a donarmi quel libro,

ricordi? che nara siccome, amando senza fortuna,
un tale si uccida per una, per una che aveva il mio nome》.

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2009年1月18日 (日)

Gozzano: L'amica di nonna Speranza (3)

        スペランツァおばあちゃんの友達

        III

伯父が来た、有徳の紳士、尊敬すべき人物、
過去と、ロンバルド―ヴェネト王国と、皇帝に忠実、

伯母が来た、伯父にふさわしい伴侶、とても善良で、
過去に忠実、サルデーニャ王を愛してはいるが...

《伯父さんたちの手に接吻を》とパパ、ママが言い、
なかなか言うことを聞かない子供に、赤らんだ顔を向ける。

《この娘は、お友達で休暇中です。ミス・カルロッタ
カペンナ。優秀な女子学生で、スペランツァの一番の仲良しです》。

《まあ...まあ...よろしい...よろしい...》ーー狡猾に、ゆっくりと、
尊敬すべき伯父は語ったーー《まあ...まあ...よろしい...

カペンナ? アルトゥーロ・カペンナという男がいたな。カペンナ...カペンナ...カペンナ..
確かに!ヴィーンの宮廷だ!確かに...確かに...確かに...

《モスカートを少しいかがかな?》《お前様も...》
静かに微笑みながら、すわり談笑した。

《...がブランビッラは無理だった...》ーー《エルナーニ》には太りすぎている...
《スカラ座にはもうソプラノ歌手がいませんね...》ーー《なんたる熱気でしょう、あのジュゼッペ..ヴェルディは》

《...3月には、フェニーチェ座で歌うと言っていたよ
新作の『リゴレット』だ。傑作という話だよ》。

《お洋服はブルーですの、それともグレー?》ーー《このイアリング?なんてきれいな
ルビーでしょう!このカメオ...》ーー《パリの最新流行は...》

《...ラデツキー将軍?とんでもない。休戦協定...平和、長続きする平和...》
《。。あの若いサルデーニャ王は、とても良識のある人だ!》

《たしかに、不眠不休、強く、用心深く、抜け目のない男...》
《ハンサムですか?》ーー《いいや、まったく》。――《とても女好きではあるが...》

《スペランツァ!》(少し身をかがめ、不明瞭な口調になる)
《カルロッタ!庭に行ってらっしゃい。バドミントンでもしてらっしゃい!》

そこで二人の友は落ち着いて、完璧なとても丁重な
お辞儀をして、とても善良な伯父伯母のもとを去る。

(訳者妄言)
ゴッツァーノの詩「スペランツァおばあちゃんの友達」の第三セクション。
パーティーの場に、社会的地位の高い伯父夫婦がやってくる。このセクションは、詩の舞台が1850年だということが、キーポイントである。

一つは、イタリアの統一がまだなっていない。伯父は、オーストリア皇帝を支持しているが、伯母は若きサルデーニャ王(のちに、初代イタリア国王となるヴィットリオ・エマヌエーレ2世のこと)を愛している。夫婦で、政治的立場が食い違っているのだ。ヴィスコンティの映画『夏の嵐』を想起するのは、訳者のみではあるまい。

16行目のブランビッラは、当時の有名なソプラノ歌手テレーザ・ブランビッラ(1813−1895)。この詩でも話題に登っているヴェネツィアのフェニーチェ座での『リゴレット』の初演でジルダを歌った。1851年3月11日のことであった。(この詩は、1850年6月28日に撮った写真が舞台となっている)。

ヴェルディは現在では知らぬものもない大作曲家であるが、1850年当時は新々気鋭の作曲家ということで、「ジュゼッペ...ヴェルディ」(原文では、Verdi...Giuseppe) と、思い出すための間があくのである。

ラデツキー将軍は、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートでおなじみの「ラデツキー行進曲」のラデツキーだが、北イタリアのロンバルド=ヴェネト王国は、オーストリアの支配下にあった。1848年の3月革命に際しては、ミラノで市民の蜂起があり、5日間の市街戦の後、オーストリア軍総司令官ラデツキーは追放され、、革命仮政府が樹立される。ところが、教皇ピオ9世や両シチリア王が対オーストリアから脱落し、イタリア側はサルデーニャ王カルロ=アルベルトが孤立してしまう。1849年3月のノヴァーラノの決戦でサルデーニャ王国は破れ、休戦協定を結ぶ。第一次独立戦争の終焉である。

ノヴァーラの決戦でオーストリア側を率いたのがラデツキーであり、敗北したカルロ・アルベルト王は退位してその位を息子ヴィットリオ・エマヌエーレに譲った。休戦協定は、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世とラデツキー将軍の間で結ばれたのである。ラデツキー将軍は、1849−57年ロンバルド=ヴェネト王国の総督となる。

ヴィットリオ・エマヌエーレが女好きだという話題が出たところで、良家のお嬢様がたは席をはずすよう促される。二人もそれに従順に従う。それが当時の、習わしであった。

伯父、伯母のもったいぶった様子を軽いアイロニーをもって描くため、ことさらに同じフレーズが繰り返されている。

モスカート(moscato)は、アスティ地方名産の甘口のワイン。

 

原文は、

Giungeva lo Zio, signore virtuoso, di molto riguardo,
ligio al passato, al Lombardo-Veneto, all'Imperatore;

giungeva la Zia ben degna consorte, molto dabbene,
ligia al passato, sebbene amante del Re di Sardegna...

"Baciate la mano alli Zii!" dicevano il Babbo e la Mamma,
e alzavano il volto di fiamma ai piccolini restii.

"E questa e' l'amica in vacanza: madamigella Carlotta
Capenna: l'alunna piu' dotta, l'amica piu' cara a Speranza."

"Ma benee...ma bene...ma bene..." diceva gesuitico e tardo
lo Zio di molto riguardo "...ma bene...ma bene...ma bene...

Capenna? Conobbi un Arturo Capenna...Capenna...Capenna...
Sicuro! alla Corte di Vienna! Sicuro...sicuro...sicuro..."

"Grandiscono un po' di moscato?"--"Signora sorella magari..."
E con sorriso pacato sedevano in bei conversari.

"ma la Brambilla non seppe..."--"E' pingue gia' per l'Ernani..."
"La Scala non ha piu' soprani..."--"Che vene queel Verdi...Giuseppe..."

"...nel Marzo avremo un lavoro alla Fenice, m'han detto,
nuovissimo: il Rigoletto. Si parla d'un capolavoro."

"...Azzurri si portano o grigi?"--"E questi orecchini? Che bei
rubini! E questi cammei..."--"la gran novita' di Parigi..."

"...Radetzky? Ma che? L'armistizio...la pace, la pace che regna..."
"...quel giovine Re di Sardegna e' uomo di molto giudizio!"

"E' certo uno spirito insonne, e forte e vigile e scaltro..."
"E' bello?"--"non bello: tutto'altro."--"Gli piacciono molto le donne..."

"Speranza!" (chinavansi piano, in tono un po' sibillino)
"Carlotta! Scendete in giardino: andate a giocare al volano."

Allora le amiche serene lasciavano con un perfetto
inchino di molto rispetto gli Zii molto dabbene.

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2009年1月 8日 (木)

Gozzano: L'amica di nonna Speranza (2)

    スペランツァおばあちゃんの友達

      II

幼い弟たちは、今日のこの日は、注意深くしてなければ近づくことが
できない(家具の布カバーをはずしてしまったから。宴会の日だもの)。

しかし彼らは群れをなして押しかけてくる。来た、休暇で来た、
姉のスペランツァが同窓のカルロッタと一緒に!

おばあちゃんは17歳! カルロッタもほぼ同じ。
ほんの少し前にスカートにクリノリンを入れさせてもらえるようになったばかり。

広いクリノリンは、トルコ石色のバラのスカートに襞をつける。
フープスカートからは、蜂のようにくびれた細い腰が出ている。

どちらもショールをして、オレンジ、花、鳥、花冠の模様、
髪を二つにぴっちり分けて頬へ流している

彼女らはクラスで一番優秀な成績だった。なんと恐ろしい
不安な時を過ごしたことでしょう!彼女らは永遠に学校を去った。

静かに、子供たち!二人の友達はー子供たち、おとなしくしなさい!ー
古い音楽の楽譜を一束、弾き始めた。

17世紀風の装飾が多く、少しばかり人口的なモチーフ
アルカンジェロ・デル・レウトとアレッサンドロ・スカルラッティ

愛しあいながら離れ、「心」や「鳥」といった言葉を嘆くように歌う、
甘く醜い歌詞につけたジョルダネッロのけだるさ

......
...いとしい人よ
せめて僕を信じて!
君なしでは
心がめいる!
君に忠実な僕は
いつも溜め息、
やめてくれ、むごい人よ
これほどのつれなさは!
.......

カルロッタが歌う。スペランツァが伴奏。甘く、
この短いロマンスに、人生に、千の約束が花咲き、閉じる。

ああ、音楽よ!軽いささやきよ!もうおのおのの隠された魂に
約束された夫が微笑むー理想の王子、

夢見られた夢の夫...ああ学校のマーガレットを
プラーティの優しい詩をとなえながら、花びらをちぎって占うのだ!

(訳者妄言)
ゴッツァーノの詩「スペランツァおばあちゃんの友達」の第二セクション。
16行目の Arcangelo del Leuto  は、ほとんどの註釈書には、Arcangelo Corelli のこととあるが、間違いで、アルカンジェロ・デル・レウトという別の音楽家がいる。生没年は、1615−1679とするもの、15xx- 16xx とするものもある。
途中の歌は、有名な歌曲カーロ・ミオ・ベンの歌詞そのものである。これを作曲したのは、通称ジョルダネッロ、ジュゼッペ・ジョルダーニ(1744−1798)である。
最終行のプラーティは、詩人ジョヴァンニ・プラーティ(1814−1884)で、後期ロマン派の詩人でセンティメンタルな詩を書いた。

原文は、

I fratelli alla sala quest'oggi non possono accedere
che cauti (hanno tolte le federe ai mobili. E' giorno di gala.)

Ma quelli v'irrompono in frotta. E' giunta, e' giunta in vacanza
la grande sorella Speeranza con la compagna Carlotta!

Ha diciassett'anni la Nonna! Carlotta quasi lo stesso:
da poco hanno avuto il permesso d'aggiungere un cerchio alla gonna,

il cerchio ampissimo increspa la gonna a rose turchine.
Piu' snella da la crinoline emerge la vita di vespa.

Entrambe hanno uno scialle ad arance a fiori a ucceelli a ghirlande;
divisi i capelli in due bande scendenti a mezzo le guancie.

Han fatto l'esame piu' egregio di tutta la classe. Che affanno
passato terribile! Hanno lasciato per sempre il collegio.

Silenzio, bambini! Le amiche--bambini, fate pian piano!--
le amiche provano al piano un fascio di musiche antiche.

Motivi un pocol artefatti nel seecentismo fronzuto
di Arcangelo del Leu'to e d'Alessandro Scarlatti.

Innamorati dispersi, gementi il core e l'augello,
languori del Giordanello in dolci bruttissimi versi:

.................
...caro mio ben
credimi almen!
senza di te
languisce il cor!
Il tuo fedel
sospira ognor,
cessa crudel
tanto rigor!
.................

Carlotta canta. Speranza suona. Dolce e fiorita
si schiude alla breve romanza di mille promesse la vita.

O musica! Lieve sussurro! E gia' nell'animo ascoso
d'ognuna sorride lo sposo promeesso: il Principe Azzuro,

lo sposo dei sogni sognati...O margherite in collegio
sfogliate per sortilegio sui teneri versi del Prati!

 

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2009年1月 7日 (水)

Gozzano: L'amica di Nonna Speranza (1)

         スペランツァおばあちゃんの友達

          「...スペランツァへ、カルロッタ...」
             1850年6月28日
           (アルバムから:ある一枚の写真の献辞)

           I

剥製にされたロレートおよびアルフィエーリとナポレオンの胸像、
額に入った花(最悪の趣味のお上品なものたち)、

少し陰気な暖炉、砂糖菓子のなくなった箱
大理石の果物が、ガラスの鐘の中に入っている

珍しい玩具、貝殻でできた宝石箱、
「幸いあれ」、「思い出」の文字の入った品、ココヤシの実、

モザイクで描いたヴェネツィア、さえない水彩画、 
版画、長持ち、古風なアネモネが描かれたアルバム、

マッシモ・ダゼリオの油絵、細密画(ミニアチュール)
ダゲレオタイプ写真:当惑し、夢見るような人物、

サロンの真ん中に垂れ下がる古びた大きなシャンデリアは
最悪の趣味のお上品なものたちを千倍にする、

鳩時計のククー、つづれ織りや臙脂色のダマスク織りで
張った椅子...僕は生まれ変わる、1850年に生まれ変わる!

(訳者妄言)
グイド・ゴッツァーノ(1883年12月19日トリノー1916年8月9日トリノ)の詩「スペランツァおばあちゃんの友達」の第一セクション。

ゴッツァーノは、コラッツィーニと同じく黄昏派(crepuscolari)と呼ばれるが、コラッツィーニがローマで活動していたのに対し、ゴッツァーノはトリノを中心としていた。つまり、黄昏派と総称はされるが、一つのまとまった組織的運動ではなかったのである。

この詩では、詩人は、自分の祖母のアルバムを見て、その中の世界が自分に近しいものであることを、否定的な価値、古くさい、時代遅れという認識とともに提示している。醒めた頭とノスタルジックなハートを持って書いているのである。

タイトルは L'amica di nonna Speranza であるが、speranza はここでは固有名詞だが、一般名詞としての意味は希望。日本でなら「のぞみ」という名に相当するだろう。ゴッツァーノは別の詩でも Signorina Felicita (ミス幸福という感じ)と登場人物に寓意的な名前を与えることがある。そこには皮肉がこめられていることもある。

1行目、ロレートという名は、よくオウムに付けられる名前であるという。

9行目、マッシモ・ダゼリオは、リソルジメント期の有名な政治家であるが、絵も描いた。歴史画を描いている。

 

原文は、

Loreto impagliato ed il busto d'Alfieri, di Napoleone,
i fiori in cornice (le buone cose di pessimo gusto),

il caminetto un po' tetro, le scatole senza confetti,
i frutti di marmo protetti dalle campane di vetro,

un qualche raro balocco, gli scrigni fatti di valve,
gli oggetti col monito salve, ricordo, le noci di cocco,

Venezia ritratta a mosaici, gli acuerelli un po' scialbi,
le stampe, i cofani, gli albi dipinti d'aneemoni arcaici,

le tele di Massimo d'Azeglio, le miniature,
i dagherottipi: figure sognanti in perplessita',

il gran lampadario vetusto che pende a mezzo il salone
e immilla nel quarzo lee buone cose di pessimo gusto,

il cucu dell'ore che canta, le sedie parate a damasco
che'rmisi... rinasco, rinasco del mille ottocento cinquanta!

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