Cucchi, Maurizio (クッキ)

2009年4月 6日 (月)

Maurizio Cucchi : Sedevo distratto sul gradino nero

    黒い階段にぼうっと座っていた

銅像の黒い台座にぼうっと座って
肩はすでに向きを湖のほうへ変える、
彼女がそこにいて
心配げに僕に挨拶を

送ろうとしている...髪はまだブロンドで
でも僕は動けず、
送り返すのは
暗褐色の眼差しのみで、

それはすでに深く、輝き...われわれは出発した

そこからの場所が途方もなく、気候や人は
粗暴で、無愛想なのに、
われわれはあまりに軽装で
前にも言った通り、靴や帽子は布製だった。

われわれは家々の鍋から食べ物を奪うことになるのだ。

(訳者妄言)
マウリツィオ・クッキの詩。詩集 Glenn (1982). この詩の語り手は Glenn と呼ばれており、詩集のタイトルにもなっているが、詩人の父のあだ名である。1940年代に活躍した俳優グレン・フォードから来ている。

詩人はこの父グレンが語る物語詩として、父の生涯を描いた。この詩では、グレンのロシア出征の前後が語られている。

マウリツィオ・クッキは、1945年ミラノ生まれ。出版社や文学批評家として活動し、マラルメ、プレヴェール、スタンダール、フロベールを翻訳している。

詩のアンソロジーの編纂も多く、ガルザンティ社の Poeti italiani dell'Ottocento (1978), モンダドーリ社の Dizionario della poesia italiana  (1983 e 1990), ステファノ・ジョヴァナルディとの共編で Poeti italiani del secondo Novecento (1996)がある。

詩人としてのデビューは1976年の詩集 Il disperso でモンダドーリ社の《Lo Specchio》シリーズに収められた。

原文は、

Sedevo distratto sul gradino nero
della statua e spalle già rivolte
al lago quando ho capito che era lì
in grande affanno a darmi il suo

saluto...ancora biondi erano
i suoi capelli eppure mi sentivo
come immobile senza poterle offrire
in cambio che il mio sguardo bruno

e già profondo, luminoso...Partivamo

e benché la distanza da quei luoghi
fosse estrema il clima la gente ruvida
inospitale avevamo vesti troppo leggere
scarpe e cappelli di pezza come ti ho raccontato:

avremmo rubato nelle case dalle pentole.

| | コメント (5) | トラックバック (0)