Cardarelli: Rimorso
悔い
お前は僕のなかに沈んでいる、
海に財宝が沈んでいるように。
お前は、僕のあらゆる過ちの、原因であり
秘密、あるいは僕が信じない愛だ。
僕をつけまわす愛、
あらゆる境界を越えて、どこまでも、
まるで忠実な犬が
不実な主人を追うように。
お前から逃げるが無駄だ。
お前のことを考えないと、お前が迫ってくる、
悔いが、隠れた喘ぎが。
お前はきっとある日僕に追いつくだろう
死において。
そこでは、静かに休息して、お前の守護神が
僕の面倒をみてくれるだろう。
僕はその途方もない微笑みの
影で眠りたい。
(訳者妄言)
ヴィンチェンツォ・カルダレッリの詩。一見さらっと読むよりも、複雑な詩である。その複雑さは、彼の人生に対するアンビヴァレントな感情に由来するのであろう。
つまり、「お前」と呼ばれるものは、彼の心の奥深くに宿っているのだが、それを愛と呼びもするのだが、彼はそれを信じないと同時に言うのである。だから、悔いなのであろう。
悔い多き人生に対する入り組んだ、屈折した愛。しかし、その人生への愛から逃れることは出来ないのだ。死に達した時点では、自分と愛(悔い)が和解できるのだ、と詩の後半部分は解釈した。
原文は、
Ti porto in me come il mare
un tesoro affondato.
Sei il lievito, il segreto
d'ogni mio male, o amore a cui non credo.
Amore che mi segui
oltre ogni limite, ovunque,
come un cane fedele
segue un padrone ingrato.
Ti fuggo invano.
Poi che meno ti penso piu' mi opprimi,
rimorso, celato affanno.
Tu certo un girno mi raggiungerai
nella morte.
La', riposato e cheto, il tuo buon Genio
mi assistera'.
Voglio dormire all'ombra
del suo tremendo sorriso.
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