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2009年6月15日 (月)

Pascoli : I gattici

             白楊

銀色の白楊よ、お前を再び見る、
種まく日に葉の落ちたお前を、
朝霧はまだ怠けもの
あたりのすべての蔓を黄金にぼかす。

黄色い葉を旋回させる
この風は、かつてお前を芽吹かせた、
僕は時に向かって、その時叫んだ、歩け
いまは心に涙が落ちるのを感じる。

今は、山の上の動かぬ雪、
もの悲しい雨、夜、戸に打ちつける
北風の長い怒り。

無限の下りに見える
短い日々、消え失せることとしおれること、
菊、死の花。

(訳者妄言)
ジョヴァンニ・パスコリのソネット。4行、4行、3行、3行の古典的なソネットで、各行は endecasillabo (11音節)。

この詩は、1889年に書かれ、同年11月17日にフィレンツェの雑誌《Vita nova》に掲載された。1892年、詩集Myricae に収められた。

死が主題となっている。語り手は、秋の情景を眺めているが、春を思い出し、今や季節が冬に向かって進んでいることを嘆く。

第2節で春を思い出すが、第3節以下ふたたび秋から冬へ向かう今の寒々しい情景に戻る。

原文は、

E vi rivedo, o gattici d'argento,
brulli in questa giornata sementina:
e pigra ancor la nebbia mattutina
sfuma dorata intorno ogni sarmento.

Già vi schiudea le gemme questo vento
che queste foglie gialle ora mulina;
e io che al tempo allor gridai, Cammina,
ora gocciare il pianto in cuor mi sento.

Ora, le nevi inerti sopra i monti,
e le squallide piogge, e le lunghe ire
del rovaio che a notte urta le porte,

e i brevi dì che paiono tramonti
infiniti, e il vanire e lo sfiorire,
e i crisantemi, il fiore della morte.

韻は、ABBA, ABBA, CDE, CDE の形になっている。4行目の蔓(sarmento)はぶどうの蔓をさす。季節の移ろいに、深い思い入れのある詩。

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Pascoli, Giovanni (パスコリ)」カテゴリの記事

コメント

 ソネット。ことばのひとつ、ひとつ味わって読んでいます。パスコリ、良い詩人と出会うことができました。

投稿: sivel | 2009年6月17日 (水) 10時28分

sivel さん

熟読玩味ありがとうございます。パスコリは、イタリアでは古典中の古典ですが、フランスの象徴派などと比較すると、一風変わっていると思います。都市型というより、田園地帯の自然の中に、詩人の情感を溶け込ませていますね。

投稿: panterino | 2009年6月17日 (水) 21時41分

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