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2009年3月18日 (水)

Antonio Porta: Quale porzione di universo

     宇宙のどんな部分

葉に貼りついたカタツムリ
陣痛の始まった女たち

限界で魂は満足し
傷をうけ腕を組む

客が分別の無いことを言い
壊れた真実は便所で果てる

裏側でも表でも見ることに変わりはなく
葉一枚、理解するのにも金が必要

白い窓敷居に指一本で吊され
朽ちても判らぬ至高の真理

(訳者妄言)
アントニオ・ポルタの詩。詩集 Week-end (1974)から。ポルタは本名をレオ・パオラッツィという。1935年ヴィチェンツァに生まれたが、336年からはミラノに暮らす。

編集の仕事をし、文学批評家としても活動した。1989年ローマで死去。

ネオアヴァングァルディアのもと詩を発表し始める。作品は、I Novissimi  というアンソロジーに収められ、ポルタは Gruppo '63 の作家、詩人と活動を共にした。

原文は、

lumache appiccicate alle foglie
donne in limitare di doglie

ai confini lo spirito si appaga
braccia incrociate sulla piaga

l'ospite pronuncia la frase insensata
nel cesso vien finita la verità guastata

di rovescio o di diritto non muta il guardare
per capire anche una foglia è necessario pagare

al davanzale bianco appeso con un dito
la verità suprema neppure da marcio

冒頭から小文字で始まっている。Simona Costa の註によれば、小文字で書くことにより、ここに並べられたモノやイメージの順序が単にまったくの偶然に過ぎないことを表している。

第二連の 'braccia incrociate sulla piaga' は社会に存在する悪、苦痛を前にして、何も出来ず腕組みをしているのだろう。

第三連では、真実が壊れている、というのが特徴的表現で、伝統的価値の崩壊を前面に打ち出したネオアヴァングァルディアらしい。

最終連は、絞首刑にあったかのように、指一本で吊されている。吊されているのは、至高の真実だが、それは死に際しても、まだ理解されないだろうと、考えている。これも、絞首刑と、指一本、至高の真実の組み合わせがシュールレアリスティックである。

内容的には「前衛的」な詩であるが、韻はきれいにカプレット(2行ごと foglie, doglie のように), rima baciata となっているのが興味深い。

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コメント

 魅力的な詩、2回拝見、新鮮です。アヴァングァルディアですね。
 良いですね。
 nel cesso vien finita la verità guastata お気に入り。
cesso 忘れていました。
 御訳みごとで感心しました、学んで参ります。

投稿: sandrara | 2009年3月19日 (木) 13時21分

sandrara さん

前衛と呼ばれた詩も、時間的距離がたってみると、尖った部分もさることながら、モダンな叙情を感じさせますね。

また、韻を含む音へのこだわりが、詩の生命線であることも教えられる詩です。

投稿: panterino | 2009年3月19日 (木) 22時12分

 「韻を含む音へのこだわり」分かりました。噛みしめて参ります。

投稿: sandrara | 2009年3月20日 (金) 12時11分

sandrara さん

既成の秩序、価値観の崩壊を歌う詩人が、ライムや、その他の音の工夫をするのは、それによって、詩の世界に現実とは別の秩序を構築しようとする試みであるのかもしれない、という仮説を持って読み進めているところです。

投稿: panterino | 2009年3月20日 (金) 20時25分

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