« Gozzano: L'amica di nonna Speranza (5) | トップページ | Gozzano: La medicina »

2009年1月23日 (金)

Gozzano: L'assenza

       不在

キス。長い。奥で、
離れて、そこで森の道に
迷うのだが、それは緑の中の
大きな廊下のよう。

再びここを登るが、そこでほんの少し前
彼女は美しいグレーの服を着ていた。
フック、小説、あらゆる微かな
名残りを目にする…

バルコニーでかがむ。頬をだらりと
手すりにもたれかける。
悲しいのではない。もう
悲しくはない。今晩、帰ってくる。

あたりに夏が沈む
朱色のゼラニウムの上に、
尾のついた羽が震え、
巨大なアゲハ蝶が空に舞う…

一日の無限の青は
ぴんと伸ばした絹のよう。
その静かな拡がりのうえに
月はもう帰ることを考えている。

沼が光る。蛙が鳴くのを
やめる。が、鮮やかなエメラルドの、
燃える青の閃光が
きらめく。カワセミが...

僕は悲しくない。庭を見て
驚いているだけだ...
何に驚いているのだ?これほど
子供のように感じたことはなかった...

何に驚いているのだ?いろいろなこと。
花までが見知らぬものに見える。
いつもと同じ薔薇なのに。
いつもと同じジェラニウムなのに...


(訳者妄言)
グイド・ゴッツァーノの詩集 I colloqui (会話)(1911)の中の一篇。初出は、1910年で《Riviera ligure》に掲載された。

いとしい女性との別れ。彼女の名残りの品々までいとしい思いで見ている。一人になってみると、見慣れたはずの庭がまた別のものに見えてくる。

いくつかのフレーズには、ダンヌンツィオやフランスの詩人ジャムのエコーがある。

また、1907年の草稿によると、この別れを惜しんだ(ただし、その晩には帰ってくるのであるが)女性は、母親であった。

原文は、

Un bacio. Ed e' lungi. Dispare
giu' in fondo, la' dove si perde
la strada boschiva, che pare
un gran corridoio nel verde

Risalgo qui dove dianzi
vestiva il bell'abito grigio:
rivedo l'uncino, i romanzi
ed ogni sottile vestigio...

Mi piego al balcone. Abbandono
la gota sopra la ringhiera.
E non sono triste. Non sono
piu' triste. Ritorna stasera.

E intorno declina l'estate.
E sopra un geranio vermiglio.
fremendo le ali caudate
si libra un enorme Papilio...

L'azzurro infinito del giorno
e' come una seta ben tesa;
ma sulla serena distesa
la luna gia' pensa al ritorno.

Lo stagno risplende. Si tace
la rana. Ma guizza un bagliore
d'acceso smeraldo, di brace
azzurra: il martin pescatore...

E non sono triste. Ma sono
stupito se guardo il giardino...
stupito di che? non mi sono
sentito mai tanto bambino...

Stupito di che? Delle cose.
I fiori mi paiono strani:
ci sono pur sempre le rose
ci sono pur sempre i gerani...
 

一つの連が4行で、第一連を見るとわかるように、Dispare, perde pare verde で a b  a b 型の交差する韻となっている。第二連以下も同じく、一連が4行で、交差韻を用いて規則正しく書かれている。

ただし第5連が例外で、giorno tesa distesa ritorno で、 c d d c 型、抱擁韻になっている。第5連は、天空の世界が話題になっており、他の連との違いを際だたせるために韻の形を変えたのかもしれないし、また、すべての連が同じ韻の形では単調と考えて、変化をつけるという意図があったのかもしれない。

|

« Gozzano: L'amica di nonna Speranza (5) | トップページ | Gozzano: La medicina »

Gozzano (ゴッツァーノ)」カテゴリの記事

コメント

 一日の無限の青は
 ぴんと伸ばした絹のよう。
 その静かな拡がりのうえに
 月はもう帰ることを考えている。

 御解説拝見していろいろなこと納得しました。
 上品な詩句で、あちらこちらの表現に立ち止まり、上記のように書き留め、堪能しています。

投稿: accatto_ma | 2009年1月24日 (土) 17時24分

accatto_ma さん

ご堪能いただき、ありがとうございます。

元の作品の良さは、押韻では失われますが、比喩あるいは比喩的表現では保たれやすいですね。

投稿: panterino | 2009年1月24日 (土) 22時56分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Gozzano: L'assenza:

« Gozzano: L'amica di nonna Speranza (5) | トップページ | Gozzano: La medicina »