Corazzini: Toblack (1)
トブラック
I
...そして若者たちは道を彷徨(さまよ)い
大きく憂鬱な陽光を浴びて、
玄関の扉は半ば閉じ、窓敷居には
人影も見えず、どこかの小さな噴水は
葬列が通るたびに永遠に同じく流す
涙を泣いている、
広大な墓地、尽きることのない
十字架、花輪、ゆっくりとした
不安をかきたてる弔いの
鐘、いつも、毎日、
毎晩、高く、青空、
希望と慰めに満ちて、
広々とした空、励まし祝福する
母の眼のように善良だ。
(訳者妄言)
セルジョ・コラッツィーニの詩「トブラック」の第一セクション。全体は4つのセクションからなる。詩集『苦い杯(L'amaro calice)』(1905) に収められている。この詩集は、1904年の12月に出版されたが、奥付は1905年になっている。
トブラック(通常のスペリングはToblach)は地名で、イタリア語名はドッビアコ。
トブラックのあるアルト・アディジェ地方は、第一次世界大戦前はオーストリアであったが、大戦後イタリアに帰属するようになったため、地名がドイツ語式のものとイタリア語式のものがある。トブラックは、現在でも町はずれが、イタリアとオーストリアの国境である。
トブラックは、この詩が書かれた当時は、隣のサン・カンディードに肺病のサナトリウムがあり、療養地として知られていた。
この詩でもトブラックは、療養の町であると同時に、死を待つ町として描かれている。後半の一見明るさがかえって哀しい。
1行目の若者は原文はgiovinezze で直訳すれば若さ(複数)である。
5−6行目の「永遠に同じく流す涙...」は、原文では、(qualche piccola fontana) che piange un pianto eternamente uguale だが、この表現は、Vincenzo De Caprio, Stefano Giovanardi の註釈によると、ダンヌンツィオやとりわけパスコリの影響を受けている。具体的には、たとえばパスコリの詩集Myricae の'Ricordi' (12のセクションからなる詩である)の XI Il Santuario には ‘con un sospiro eternamente uguale' という句が見られるし、続くXII Anniversario には ‘piangendo il pianto che su me versavi' という句が見られる。
同じくパスコリのNuovi Poemetti の中の‘Il chiu'' にも、‘un mesto verso eternamente uguale'という句がある。
原文は、
...E giovinezze eranti per le vie
piene di un grande sole malinconico,
portoni semichiusi, davanzali
deserti, qualche piccola fontana
che piange un pianto etternamente uguale
al passare di ogni funerale,
un cimitero immenso, un'infinita
messe di croci e di corone, un lento
angoscioso rintocco di campana
a morto, sempre, tutti i giorni, tutte
le notti, e in alto, un cielo azzurro, pieno
di speranza e di consolazione,
un cielo aperto, buono come un occhio
di madre che rincuora e benedice.
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