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2008年12月26日 (金)

Corazzini: Per un organo di Barberia (1)

       手回しオルガンのために

         I

散らばった古いアリアの
悲しい施しは、
虚しい捧げもの
誰も受け取らない!
人のいない通りの
春の葉だ!
あわれなリフレインが
通り、また通り、
まるで、音楽の天を駆けめぐる
鳥のようだ!
救貧院の小アリアは、
施しに反響を
求めているよう!

(訳者妄言)
セルジョ・コラッツィーニの詩の第一連。前にとりあげた「感傷的なあわれな詩人の悲嘆」(Desolazione del povero poeta sentimentale) と同様、詩集 Piccolo libro inutile (ちいさな無益な本、1906)に収められている。

註釈によれば、この手回しオルガンを詩に用いたのは、ヴェルレーヌの『土星の子の歌』(Poe'mes Saturniens)で、ジュール・ラフォルグの詩によってフランスに広まった。

イタリアでは、コッラード・ゴヴォーニによって広まったこの手回しオルガンは、庶民的な楽器であるが、どこか物悲しさを漂わせており、諦め、失望などの象徴となっている。

誰も聞いてくれぬ手回しオルガンのアリアは、誰も聞いてくれぬ詩人の嘆きの暗喩であろう。

organo di barberia という言い方は、手回しオルガンを発明したモデナの弦楽器製作者バルベリから来ている。

原文は、

Elemosina triste
di vecchie  arie sperdute,
vanita' di un'offerta
che nessuno raccoglie!
Primavera di foglie
in una via diserta!
Poveri ritornelli
che passano e ripassano
e sono come uccelli
di un cielo musicale!
Ariette d'ospedale
che ci sembra domandino
un'eco in elemosina!

七音節詩行(settenari) .

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Corazzini (コラッツィーニ)」カテゴリの記事

コメント

 panterino様、

 魅了されています。胸を病んでいたことと相俟って詩行が痛切に味わわれます。懐かしい。シューベルトが聴こえてくるようです。〈救貧院〉が詩のなかで生きている。DesolazioneVII忘れがたい、です。貴重な詩人。貴重な出会いに感謝いたします。

投稿: giacomal | 2008年12月26日 (金) 12時18分

giacomal さん

おっしゃるように、コラッツィーニの詩は、痛切な叙情にあふれていますね。

と同時に、詩が役割を果たせなくなった社会、時代における詩人のアイデンティティを必死に追求している姿も見えますね。

投稿: panterino | 2008年12月27日 (土) 00時08分

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