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2008年12月22日 (月)

Corazzini: Desolazione del povero poeta sentimentale (5)

          あわれな感傷的詩人の悲嘆

          V

ぼくは沈黙と通じあう、毎日、イエスと通じあうように
沈黙の祭司は物音で、
それなしでは、僕は神を探しもとめ見いだすことはできないだろう。

(訳者妄言)
コラッツィーニの詩の第5連。

原文は、

Io mi comunico del silenzio, cotidianamente, come di Gesu',
E i sacerdoti del silenzio sono i romori,
poi che senza di essi io non avrei cercato e trovato il Dio.

1行目の mi comunico は再帰動詞で、伝わるという意味であるが、同時に聖体を拝領するという意味がある。聖体拝領(comunione または Eucaristia) とは、カトリックの秘蹟(sacramento) の一つで、ミサの時に、聖体と呼ばれるウェハースのようなもの(ostia) とワインを分ちあう(ともに食べたり、飲んだりする)ことで、信者は、イエスの肉体と血を分ちあったことになる。神父の儀式により、パン(ostia) とワインが、イエスの肉体と血に聖変化したとされるからである。こうして、信者はキリスト自身と交流し(聖体拝領し)、イエスの福音に参加することになる。

cotidianamente は quotidianamente の文語的な形。2行目のromori は rumori の別形。
沈黙は第一連でも涙を捧げる対象となっていたが、ここでも沈黙の祭司という言い方で、神に相当する聖なる存在とされている。

思うに、沈黙の世界とは、死の世界であり、つまり、彼岸、あの世を意味し、それゆえに聖なる世界なのだろう。それに対して、騒音を立てるのは、生者であり、世俗の生活、俗なる世界を象徴しているのだろう。

聖と俗は、一方が存在することで、他方が成り立つのである。俗なるものがなくては、聖なるものを発見することが出来ないのだ。

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コメント

panterino様、

 興味深く拝見いたしました。もの凄く! 〈沈黙〉という言葉を詩のなかでよく目にします。それが、聖職者となんらかのかたちで関係しているとなると...よく知らない分野、むしろぜんぜん知らない、ながら、知りたい!です。楽しみにいたしております。Corazziniの祖父と父のことも彼の詩に接するうえで参考になりますでしょう。
 詩ー沈黙(わたしも使いたい)ー聖職者。

投稿: giacomal | 2008年12月22日 (月) 21時25分

 panterino様、

 「沈黙の祭司は物音で、」素晴らしい。
 祖父と父が聖職者だということに思いをいたします。

投稿: giacomal | 2008年12月22日 (月) 21時30分

giacomal さん

おっしゃる通り「沈黙」という言葉が、聖なるものの象徴として現前していますね。

コラッツィーニの祖父と父が働いていたのは、教皇庁のDataria pontificia または Dataria apostolica という役所です。

教皇庁は、宗教にカトリックの総本山であると同時に、国家でもあり、そのもとにいくつものお役所があるわけです。

Dataria は、14世紀に出来て、聖職禄などに関する審査を行う役所だったわけです。場所としては、トレヴィの泉とクィリナーレ宮の間にあったそうで、今でもその通りは Via della Dataria という名前になっています。

このお役所は、1908年6月にピオ10世により大幅に縮小され、1967年8月にパオロ6世により廃止されました。

コラッツィーニの父は、煙草屋も営んでいたのですが、株相場に投機して、失敗し、セルジョを含む3兄弟は、学校を中途でやめねばならなくなり、その後も生活は困窮したままでした。

セルジョは、保険会社で働きながら、詩を書いていたのです。

投稿: panterino | 2008年12月23日 (火) 12時16分

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