ザンゾット:《Ballata》
バッラータ
緑の羽根は森だった
丸いそわそわした野兎(うさぎ)と
群をなすリスが
泉で水を飲んだ。
今、その水は驚いて
野兎と逃げる柔らかなリスの
臭いをかぎ、びくっとする。
月は丘に横たわる
家の中には
軽やかな虫が沈黙している
愛らしい動物たちの
堂々とした横顔に
豪雨の影が笑う。
(訳者妄言)
ザンゾットの若い時の作品(1938-1942)。1970年に A che valse? という名前で300部が頒布された。Meridiani 版では、Versi giovanili (1938-1942)としてまとめられている。
原文は、
Ballata
Piume verdi fu il bosco
e le tonde irrequiete lepri
e gli scoiattoli a schiere
bevvero nella fontana.
Or quell'acqua impaurita
odora e sussulta di lepri
di molli scoiattoli in fuga.
Giace la luna sul colle
e nella casa
tacciono i vermi leggeri
In profili alti
di animali leggiadri ride
l'ombra del diluvio.
泉に野兎やリスが水を飲みにくるのだが、水が驚いているのである。それは驚いて、野兎やリスが逃げ出すのをうつしだすさざ波をたてる水面ということでもあろう。詩では結果をさきどりした形容詞(ここではimpaurita)を使うこともそう稀ではない。
最終行の l'ombra del diluvio は diluvio が大雨なり(ノアの)洪水なので、おそろしいものの影がさしている。牧歌的なだけではない。
バッラータは本来、各スタンザのあとにリフレーンが来るので、その点からいうとタイトルはおかしいが、雰囲気の軽やかさはタイトルにふさわしいと言えるだろう。
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