モンターレ:クセーニャII 3
クセーニャ II 3
われわれは長いこと靴べらを惜しんでいた、
さびたブリキの靴べらで、いつも
うちにあった。金ぴかや石膏のならぶところへ
そんな恐ろしいものを持って行くのは、はしたないようだった。
あれは、たしかダニエーリだ、わたしは
靴べらをカバンか袋に戻すのを忘れたのだ。
メイドのエディアはきっと運河に
捨ててしまったろう。そんなブリキの破片を
捜してくれという手紙などどうして書けよう?
われわれには救うべき信望というものがあるし、
忠実なるエディアがそれをしたのだから。
(訳者妄言)
ダニエーレという高級ホテルで靴べらをなくしたが、あまりに粗末な靴べらで愛着はあるのだが、とても捜してくれとは言い出せないというペーソスにあふれた詩。
クセーニャIIは、長年連れ添ったパートナーをしのぶ詩なので、これも思い出の一齣ということになる。
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