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2008年7月 3日 (木)

モンターレ:クセーニャ 12

春は、モグラの通過とともに突然現れる。
もうお前が、抗生物質や
毒や、大腿骨のリベットや、
ずるがしこい省略によって転がりこむはずだったが
むしり取られた財産について話すのを、聞くこともない。

春は、べたつく靄とともに、
その長い日差しとともに、耐えがたい時間とともに進む。
もうお前が、時間、亡霊、夏の移動の問題という
逆巻く波と戦うのを
聞くこともない。

「ずるがしこい省略によって転がりこむはずだったが/むしり取られた財産」というのは原文では、dei beni di fortuna che t'ha un occhiuto omissis/spennacchiati  で、遺産相続などで、転がりこむはずと思っていた財産が、弁護士や公証人の巧妙な省略によってモスカの手には渡らなくなったのを何度も嘆いていたのだろう。

老妻の嘆きを、生前はあるいは疎ましいと思っていたのかもしれない。今は、それすらも懐かしい、ということか。

ロマン派的な若者の叙情とは質を異にする、生活の中から滲み出すような叙情ともいえよう。

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