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2008年6月22日 (日)

モンターレ:クセーニャ1


いとしい小さな虫
人はモスカ(蠅)と呼ぶ、なぜか知らぬが、
今晩は、イザヤ書を読むうち
暗くなり、
お前は私のわきに現れた、
が、眼鏡をかけていなかったので、
私が見えなかった、
私も、あの光りものがないと、
霞のなかではお前が判らない。

エウジェニオ・モンターレ(Eugenio Montale1896-1981)の第四詩集Satura(飽和)から。第一詩集Ossi di seppia (烏賊の骨、1925)、第二詩集Le occasioni(機会、1939)は、難解なことで知られるが、後期のモンターレはぐんと散文的になり、親しみやすい。あまりに散文的で、どこが詩的なのかが難解なこともある。

この詩でモスカ(蠅)と言われているのは、モンターレの伴侶(後に結婚)のドゥルシッラ・タンツィで友人たちがモスカと呼んでいた。また、強度の近視で、度の強い眼鏡をかけていた。

イザヤ書とあるのは、厳密に言えば、イザヤ書の後半(Deutroisaia)である。

原文は
Caro piccolo insetto
che chiamavano mosca non so perche',
stasera quasi al buio
mentre leggevo il Deuteroisaia
sei ricomparsa accanto a me,
ma non avevi occhiali,
non potevi vedermi
ne' potevo io senza quel luccichio
riconoscere te nella foschia.

押韻(rime)や子音韻(consonanza)がほとんどない。8行目の行内に io と luccichio があり、4行目のDeauteroisaia と9行目の foschia くらいである。行の長さもばらばらで、散文的傾向の強さがうかがえる。

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