桂離宮
桂離宮を観た。
仕事で京都に行くことがあり、仕事の合間をぬって桂離宮を観た。ここにはもともと藤原道長の別荘があったが、時の経過とともに荒れ果てていた。それを秀吉の時代に宮家として創設された八条宮家の別邸として建てられた。親子二代にわたって造園、建物の建造がなされた。宮家自体が、秀吉の養子となったものが、秀吉に実子が生まれたため、宮家となったもので、奇しき運を持った方と言えよう。実際に古書院が建設されたのは1615年頃とされ、すでに徳川の世となっていたわけである。
実際に京阪線の桂駅からバスに乗り、バス停から歩いてみると、桂川沿いの歩道のない国道をしばらく歩くことになる。昔は桂離宮の池に桂川の水が引かれていたのだという。離宮のところどころに月見を前提に位置を決められたものがあった。ガイド役の方が見せてくれた写真を見ると、たしかに夜の桂離宮もまた絶景なのだった。
昼でなければ見られない細部としては、灯籠でマリア灯籠と呼ばれるものと、三角灯籠と言われるものがあった。マリア灯籠は灯籠の下部になにか人の像が彫られている。が、それが聖母象であるかどうかは判然としない。三角灯籠は上部も胴体の部分も三角錐状だったり三角柱状だったりする。西洋的な美意識を感じるものである。
ここでもう一つ興味深かったのは、足下に敷き詰められた石で、整然と真っ平らに磨きあげられしかも形の整ったものから、形も大きさも適当にばらけているものまで、書道で言えば楷書、行書、草書といった趣に分けられている。例えば、園林堂という持仏堂で宮家の位牌などがあった場所。そこに近づくと敷石が方形の飛石となってあらたまった世界に入る、即ち、俗なる世界から聖なる世界に入ることを暗示している。
茶室は季節ごとにあり、そこから月見もできるようになっていて、さらにそこにたどり着くには、船でも行けるようになっているのだ。運命に翻弄された宮様が、情熱を傾けた雅びの世界には、源氏物語をしのぶ精神がここそこに見られるのであった。
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