Stiftskirche Wilten で日曜ミサ
今日は、インスブルック旧市街から少し南にある Stiftskirche Wilten(ヴィルテン修道院教会)へ。
ここはプレモントレ会(Prämonstratenser)の Stift Wilten(ヴィルテン修道院)の中心となる教会。修道院の歴史は12世紀に遡り、1128年頃にプレモントレ会士が入り、1138年には教皇インノケンティウス2世によって正式に確認されたという、インスブルックでも非常に古い宗教施設である。
現在の修道院教会は、インスブルックの宮廷建築家 Christoph Gumpp と Anton Gumppによって、イタリア・バロック建築を手本として造られたもの。内部は全長約60メートル。白い漆喰装飾とフレスコ画、それに黒と金を基調とする祭壇が組み合わされ、華やかでありながらどこか厳粛な雰囲気をもっている。漆喰装飾は1702~07年に Bernardo Pasquale とその工房によって施されたという。
今日8月9日は Laurentisonntag(聖ラウレンティウスの日曜日)。19時からのミサは Innsbrucker Festwochen der Alten Musik(インスブルック古楽音楽祭) の一環でもあり、モーツァルト《ミサ曲 ハ短調》K.427 が Capella Wilthinensis によって演奏された。
バロックの修道院教会で、コンサートとしてではなく、実際の典礼の中でモーツァルトのミサ曲を聴く。ミサ曲の本来の接し方である。
昨年ここで聴いたのは、ヴィヴァルディとほぼ同時代を生きたゼレンカの《Missa votiva》。バロックらしい華麗さと壮麗さが教会いっぱいに広がる、まばゆいほどの音楽だった。それに対して今年は、モーツァルトの《ハ短調ミサ》K.427。華やかさよりも、まず感じられたのは音楽そのものの大きさと重みである。時代も語法も異なるが、こちらもまた堂々たる響きで、広い教会空間をしっかりと支配していた。
まわりにいるのは、普段の音楽会で見かける聴衆とは明らかに違う人々である。服装もごく普段着で、地元の信者たちなのだろう。顔見知りを見つけては、にこやかに挨拶を交わしている。ここでは音楽を聴くために人々が集まっているのではなく、まず日常の信仰の場としてのミサがあり、その中にモーツァルトの音楽が響く。そのことが、いつもの演奏会とはまったく違う空気をつくっていた。
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