アルバン・ベルク《ルル》その3
ブルーレイで《ルル》を観たが、これはペトレンコの指揮、バイエルン国立歌劇場で、録音・録画ともに実に鮮明である。今調べると、前に紹介したグラインドボーンでシェ—ファーがルルのヴィデオにもブルーレイがあった。ぼくが買ったときには通常のDVDしかなかったのか事情は不明である。しかしこれから買う人にはぜひともブルーレイをお勧めする。通常のDVDとブルーレイでは画像も録音再生の音質も格段に違うからだ。
ペトレンコ指揮のほうの配役は
ルル マルリス・ペーターゼン
ゲシュヴィッツ伯爵令嬢 ダニエラ・ジントラム
シェーン博士/切り裂きジャック ボー・スコウフス
アルヴァ マティアス・クリンク
シゴルヒ パヴロ・フンカ
画家/黒人 ライナー・トロスト
劇場支配人 クリストフ・シュテフィンガー
猛獣使い/力業師 マルティン・ヴィンクラー
王子/従僕/侯爵 ヴォルフガング・アプリンガー=シュペルルハッケ
劇場の衣裳係/ギムナジウムの生徒/グルーム レイチェル・ウィルソン
医師/銀行家/教授 クリスティアン・リーガー
15歳の少女 エルザ・ブノワ
その母 コルネリア・ヴルコプフ
女流芸術家 ハイケ・グレツィンガー
新聞記者 ジョン・カーペンター
警視総監 ニコラス・ラインケ
従僕 レオナルト・ベルナート。
これはペトレンコの明快な指揮とバイエルンのオケの演奏能力の高さと録音の良さが如実に表れている。マルリス・ペーターゼンは、ルルとしてはやや年齢高めかもしれないが、劇が始まるとそんなことはほとんど気にならなくなる見事な演技。ドミトリ・チェルニャコフの演出では、舞台は透明の部屋・空間に区切られていて、画家が描くルルの肖像画も、その透明の板に白い輪郭線を描くのみで、まるで事故現場の被害者の輪郭のようである(意図的なのかもしれないが)。このルルは下着姿になる。シェーン博士やゲシュビッツ伯爵令嬢にあまり階級的な雰囲気が感じられない。より現代的な人物となっている。オーケストラのみの場面では、カップルが20組ほど出てきて、抱き合ったり、虐待したりしている。ルルと男たちをめぐる関係は、当時としてはありふれていたということを示唆しているのだろうか。
2幕1場のあとの無声映画はない。
しかしかなりの低音域までしっかり入っているので、再生環境がテレビのスピーカーではもったいないブルーレイである。
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