アレッサンドロ・スカルラッティ没後300年記念ー演奏会と講演会 その1
2025年12月26日(五反田文化センター音楽ホール)と翌27日(神田キリスト教会)に、「アレッサンドロ・スカルラッティ没後300年記念――演奏会と講演会――」が開催された。二日で完結する“スカルラッティ体験パック”というべき企画で、初日は世俗作品+オペラ抜粋、二日目は宗教作品+オラトリオ抜粋。この並べ方が実にうまい。
初日は約160名、二日目は定員180名が完売、補助席込みで200名に達したという。スカルラッティ、ちゃんと“集客力”あるじゃないか(日本では「ドメニコのお父さん」扱いで終わりがちなので)。
今回の特筆点を最初に一言で言うなら、
「ピリオド楽器&バロック歌唱で、“当時の肌触り”を本気で再現しにいった」
ということに尽きる。
しかも、ただ古楽器を並べただけではない。版(エディション)や楽譜の作り方、通奏低音の使い分け、装飾や言葉の扱いまで含めて、あらゆる判断が「当時の上演ならどう鳴るか」に向かっていた。つまり、“雰囲気”じゃなくて“設計”で勝負している。
予習までが公演です:オンライン講演×2が効いた
この二夜の前に、佐々木なおみ(敬称略、以下同様です)によるオンライン講演会が二度行われた。
10/30配信「アレッサンドロ・スカルラッティの生涯と作品」(無料)
11/30配信「演奏作品解説――創作活動からみるその特質と魅力」(有料)
これがよかった。いわゆる「予習してください」ではなく、記念年の公演を“知と経験のセット”として組む発想がある。聴衆にとっても、当日の音が「初見の難曲」になりにくい。こういう助走があると、会場での集中力がぜんぜん違うのを体感した。
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