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2025年8月17日 (日)

ミサ・ソレムニス

ザルツブルク大聖堂のミサ・ソレムニスに出席した(ザルツブルク大聖堂)。

8月15日は聖母被昇天の日なのでカトリックの国では重要な祝日で、町の商店は閉まる店が多い。大聖堂では音楽つきのミサ、ミサ・ソレムニスがあるので出席した。先日のインスブルックのミサと比較したい気持ちがあった。

この日の司祭の列は人数は20人ほどいたかと思われる。司教の話でわかったがインドの枢機卿とベルガモの司祭が特別に参加していたとのこと。その理由は不明。

式次第の紙が配られなかったので、この日用いられた音楽が何であるかは不明だが、様式的にモーツァルトの時代なので、ザルツブルクでこの大聖堂のために音楽を書いていたミヒャエル・ハイドンの曲かもしれない。聖体拝領の際にはモーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプスが演奏された。

曲をたっぷり演奏したせいか式は全体で1時間50分。音楽付きミサの構造は、レチタティーヴォ的部分とアリア的部分が交錯し、オペラの構造と似ていると思う。時間軸を考えれば、教会がオペラに影響を与えたのであろう。ただし、原初のオペラでのレチタール・カンタンドではアリア的な要素が乏しいので、そもそも発祥の時点ではさほど音楽つきミサ云々ということはなかったであろう。

インスブルックでもそうだったが、合唱団や弦楽奏者は、入り口の上方にいる。ザルツブルクの大聖堂の場合こちらにより大きなパイプオルガンがあってこの日はそのオルガンも要所要所で演奏されていた。いつも感じることだが、御堂全体が鳴り響く音響は、教会で体感しなければ理解できないマッシヴな音である。

教会の入り口では特別な民族衣装を着た女性信徒たちが野の花を集めた花束を売っていた。聖母が天に昇った際に、空に棺に草花が残っていたというエピソードに由来する聖母被昇天の時の特別な習慣かと思われるが、どこの町でもやっているのかどうかは判らない。

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