ブルーノ・デ・サのリサイタル その2
リサイタルの追加情報。
ブルーノ・デ・サが歌う歌と歌の間に器楽曲が演奏されたことは前項で記した。
その曲は、もともとオルリンスキーのリサイタルの時に演奏されるはずの曲だったのではないか、という示唆をある人よりうけ、なるほどと思い、以下にオルリンスキーのプログラムに掲載されている器楽曲を紹介する。イル・ポモドーロにしてみれば、歌は歌手の都合で変わるけれども準備してあった器楽曲を変更しなければならないとは考えなかったであろうからだ。
ちなみにオルリンスキーが歌うはずだった曲は、モンテヴェルディ、カッチーニ、フレスコバルディ、バルバラ・ストロッツィ、カヴァッリ、ジョヴァンニ・チェーザレ・ネッティ、アントニオ・サルトリオなどで17世紀中心のプログラムである。
器楽曲として掲載されているのは Biagio Marini (1594-1663) パッサカリオ、Johan Caspar von Kerll(1627-1693) の2丁のヴァイオリンのためのソナタ、パッラヴィチーノ(1630−1688)シンフォニア である。17世紀の曲ですね。前半でたぶんマリーニのパッサカリオが演奏されたのだと思うが、随分、思索的な対位法を駆使した曲だという印象があったが、ヘンデルとヴィヴァルディにはさまれて実は17世紀の器楽曲が流れていた(可能性が濃厚な)わけだ。
当初のオルリンスキーのプログラムでは歌も器楽も17世紀だったのに対し、ブルーノ・デ・サのコンサートでは結果的に18世紀の歌と17世紀の器楽曲が対比的に演奏されることになったわけだが、個人的には味わいが変わるので、不思議な感じにつつまれると同時に大いに楽しめた。
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