ポルポラ《アウリデのエフジェニア》その2
ポルポラ作曲のオペラ《アウリデのエフジェニア》を再び観た(バイロイト、辺境伯劇場)。
さすがルセとレ・タラン・リリクである。初日の時より、ポルポラ節を掴んできた。
強弱やリズムのきれ、緩急に確信を持ってやってくるようになった。ルセとレ・タラン・リリクの場合、これまでのオケより練習時間が取れなかったようだ。ポルポラへの慣れが少ないから、実演を通して慣れる余地があるわけだ。
本番になってしまうと二重唱や三重唱は伴奏の部分に磨きをかけることは可能でも、二人、三人の掛け合いのテンポやアッチェレランド、リタルダンドは変えるのがむずかしかろう。
現代においては、練り上げられた重唱を聴くのは贅沢な経験なのである。
演出は衣装を含めほぼギリシア神話およびリブレットに沿っているのだが、3体の胎児らしきものが、木枠で囲まれたガラスの中に入って出てくるのはどういう意味だったのか。演出家ツェンチッチが我々に投げかけるオープンクエスチョンだ。
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