ロッシーニ《エルミオーネ》
ロッシーニのオペラ・セリア《エルミオーネ》を観た(ヴィトリフリーゴ・アレーナ、ペーザロ)。
会場は以前はアドリアティック・アレーナと呼ばれていたが、名前が変わった。ペーザロからは、オペラの時には特別バスが出るが、海際は走行する道が変わったので注意が必要である(今は Via Trento) を通る。
《エルミオーネ》は、台本の原作はラシーヌの『アンドロマック』である。ラシーヌ自身は古代ギリシアのエウリピデスの作を自由に翻案している。ラシーヌの世界が、ロッシーニの音楽に接続される。とんでもないことが起こったのだ。あまりに大胆すぎて、当時不評だったのだろう。ロッシーニはナポリ時代に9つオペラ・セリアを書いているが、本作が6作目だった。
プログラムの解説に、この作品がナポリ以外で、ごくわずかの例外を除いて再演されなかったのは、王政復古期なのに王殺し(王ピッロがオレステに殺される、それを命じるのがエルミオーネである)があったからではないかとしていたが、同感である。音楽自体は、実験的なところがあるというが、それが主要な理由とは思えないのだった(この部分、あくまで個人の感想ですが)。
| 固定リンク
コメント