コンサート《ロンド》
Rondeau という名のコンサートを聴いた(インスブルック、アンブラス城、スペインの間)
ロンドは音楽様式ではなく、奏者の名前、Jean Rondeau から来ているのだった。
彼は、強い主張をもったチェンバロ奏者で、プログラムを明かさない。というか、一晩のプログラムは約一時間切れ目なしに続く演奏なのだった。演奏の中に、バッハのシャコンヌがはいってきたり、ラモーがはいってきたりするが、それをつなぐ部分は奏者による即興演奏である。20世紀のチェンバロ楽曲も登場し、響きがまったく新しい。電気楽器のような響きにも聞こえる。それが彼の狙いでもある。演奏前に、ファシリテーターとの40分ほどの対談があり、彼は英語で話したので聞いた。彼はコンサートにプログラムをたてずパフォーマンスだとしている。そのなかでチェンバロの楽器としての可能性、様々な響きを予見なく聞いて欲しいとのことだった。バッハの部分は伝統的なこちらにとって慣れたサウンドだったが、20世紀の作品はインスブルック古楽音楽祭では聞くことは稀なので響きもリズムも和音も斬新に響いた。アンコールはバッハのゴールドベルクのアリアと変奏、2つめはラモーだった。
かれは古楽の演奏法が流派となることを避けたいとしていて、自由な追求を求めているのだった。
コンセプト的におおいに刺激的な演奏会であった。
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