Maria hilf
Maria hilf と名付けられた聖母子像がインスブルックの大聖堂にはある。ルーカス・クラナッハ父が描いたもので、Maria hilf (英語で言えば Mary help)と呼ばれている。直接的には、16世紀にこれが描かれた時に、オスマン帝国の脅威があった、ということと、ルターによって惹起された宗教改革の影響が指摘されている。
当時の南チロルおよびオーストリアでは、聖母マリア崇拝が盛んになり、このMaria hilf像(複数が製作された)のある教会への巡礼をする人がどんどん増加したし、聖母マリアあるいはマリア像の成したとされる奇跡の話も数多く記録されている。この巡礼や奇跡の記録は、対抗宗教改革という時代背景と密接に関わっているだろう。
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