『ダリオ・フォー喜劇集』
ダリオ・フォー、フランカ・ラーメ著、高田和文訳、ジョヴァンニ・デサンティス監修『ダリオ・フォー喜劇集』が出版された。
評者はまだ序と解説と『開かれたカップル』を読んだだけなので全体を評することは出来ないが、ダリオ・フォーが1997年にノーベル文学賞を取ったのにもかかわらず、まったく出版されていなかった残念な事態はこれで大きく修正されることになったわけだ。訳者の高田和文氏による解説でわかったのだが、日本でもドラマスタジオ、シアターX、劇団民藝などが野田雄司、井田邦明、渡辺浩子の演出で『天使たちはピンボールをしない』(上演時は『天使たちがくれた夢は...』)、『払えない!払わない!』、『クラクションを吹き鳴らせ』、『泥棒もたまには役に立つ』、『開かれたカップル』を上演している。採録された作品中、日本での上演がないのは『法王と魔女』で、無理もないかとも思った。法王の受けている尊崇の念、反発、ヴァティカンがイタリア政治にもたらす影響の強さといった諷刺の前提になるコンテクストが日本の聴衆に共有されているとは言い難いからだ。異文化圏の笑いは、時として、享受することがとてもむずかしい。『開かれたカップル』は、その点は非常にわかりやすい。夫婦が、婚外の恋愛を自由にしようと約束するが、いざ妻が自由にふるまいはじめると夫があたふたするという話である。どの話から読んでもよいのだと思う。
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