映画《キアラ》
スザンナ・ニッキャレッリ監督の映画《キアラ》を観た(イタリア映画祭、オンライン上映)。
キアラというのは、アッシジのサン・フランチェスコと共に活動したサンタ・キアーラのことである。気負いなく、中世のイタリアの信仰が淡々と描かれていく。印象的なのは、キアラが当時の教皇庁の男女差別的な傾向に反発を感じるシーンだ。この映画にはキアラ・フルゴーニが深く関わっていて、映画自体が彼女に捧げられている。彼女の著書『アッシジのフランチェスコ』やその他の著作が日本語になっているのでおなじみの方も少なくないだろう。音楽も12,13世紀の音楽が用いられていて、ゼッフィレッリの『ブラザーサン、シスタームーン』とは様々な意味で対照的である。《キアラ》は、過剰なロマンティシズムを排しているところに好感が持てる。過剰なロマンティシズムを排しても、ドラマはあるし、男女の心の通いあいはある、のは言うまでもない。ヴァティカンの高位聖職者(後に教皇)をルイージ・ロ・カーショが演じている。
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