ジョヴァンニ・ボノンチーニ作曲《グリゼルダ》あらすじ
ジョヴァンニ・ボノンチーニ作曲のオペラ《グリゼルダ》を聴いた(辺境伯劇場、バイロイト)。
聴いたというのは、演奏会形式であったからだ。2022年バイロイト・バロック・オペラ・フェスティヴァルの最後の演目である。
ボノンチーニには兄弟がいて、兄も《グリゼルダ》を作曲しているので、ジョヴァンニ・ボノンチーニの《グリゼルダ》と言う必要がある。
あらすじは比較的簡単である。
シチリアの王グァルティエーロは女羊飼いのグリゼルダと結婚するのだが、身分違いの結婚に臣下の者たちが反発し反乱を起こすのを恐れている。
部下のランバルドは密かに反乱を画策し、グリゼルダに横恋慕している。グァルティエーロは、グリゼルダをいくつかの試練にかける。まず、彼女を宮廷から追い出し、新たに妻をめとると言い出す。若い新妻はアルミレーナというが実は彼の娘なのだ。アルミレーナは義務感からこの結婚を承諾するが、彼女に恋するエルネストは思い悩む。
この間に、グリゼルダは昔住んでいた森の小屋に戻る。そこへランバルドがやってきてグリゼルダを口説くが彼女は拒絶する。ランバルドは受け入れなければ彼女と息子を殺すという。狩りの途中でグリゼルダのところにやってきたアルミレーナはグリゼルダの人柄にひかれる。最後はアルミレーナが行方不明だったグァルティエーロの娘とわかり、アルミレーナはエルネストと結婚できることとなり、グァルティエーロは再びグリゼルダを妻とし、ランバルドは悔い改め許される。
めでたしめでたしのようでいて、現代的感覚ではひっかかるところがいくつかある。身分違いとはいえ、グァルティエーロがグリゼルダを何度も試すところ。アルミレーナはエルネストに恋しているわけではなく、グァルティエーロにいいつけにも大人しく従うのみで自分の意志が曖昧なのである。グリゼルダは何度試練にあっても怒らない。まあ、こういうドラマは寓意的に解釈するしかないのだろう。
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