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2022年9月19日 (月)

ジョヴァンニ・ボノンチーニ作曲《グリゼルダ》(3)

《グリゼルダ》については、前に記したように、もともとはボッカッチョの『デカメロン』の中のエピソードがあり、それをもとにアポストロ・ゼーノがリブレットを書いた。ゼーノは、ヴィーンの宮廷詩人として、メタスタジオの前任者だった人。ゼーノの《グリゼルダ》にはトマーゾ・アルビノーニ、ルーカ・アントニオ・プレディエーリ、アレッサンドロ・スカルラッティが曲を付し、1735年にはヴィヴァルディが作曲している。ジョヴァンニの兄、アントニオ・マリア・ボノンチーニもジョヴァンニの4年前にゼーノのリブレットに曲を付しているのだ。

ボノンチーニの場合、スタンピリアとの共作を通じて、こういう牧歌的な話はお手の物だった。ロンドンで、リブレッティスタをつとめたのはパオロ・アントニオ・ロッリ。彼は登場人物をカットしたり、名前を変えたりしている。オペラはすぐに大成功だった。初演は1722年2月22日、ロンドンのキングス・シアター。4ヶ月の間に15回再演された。グリゼルダを歌ったのはアナスタジア・ロビンソンで、グァルティエーロを歌ったのがカストラート歌手のフランチェスコ・ベルナルディ、通称セネジーノである。二人は劇場の外でも様々なスキャンダルを巻き起こした。周知のようにセネジーノはヘンデルのオペラのいくつかの役も創唱(初演)している。

こういった事情で作品は後世に伝わったのだが、レチタティーボの部分とオーケストレイションの大半は消失している。その復元について記す。

その復元を担当したのは Dragan Karolic だ。彼によって全作の1733年以来の蘇演(復活上演)が可能となった。

次項にプログラムに記された Dragan Karolic の 'Report from the Workshop' と題された記事のあらましを翻訳する。

 

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