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2022年9月16日 (金)

トーマシュ・クラール・バリトン・リサイタル

チェコのバリトン歌手トーマシュ・クラールのリサイタルを聴いた(シュタット教会、バイロイト)

調べてみると彼は2021年に’Kings in the North' というCDを出していて、今回の演奏会は曲目もそれと相当重なっている。CDを出す前後に、その曲目でリサイタルをするのには他の歌手でも何度か出会っており、普通のことなのだと思う。

全体としてはアルプスの北の作曲家のバロック・オペラから王の歌が集められている。

作曲家としては、トマス・アーン、ヘンデル、テレマン、ハイニヒェン、シュルマン、カイザー、アリオスティなどである。ヘンデル序曲の一部の間にカイザーのアリアを挟んで連続で演奏するというようなことをしていたが、不思議なほど違和感がなかった。

イタリア語のアリアとドイツ語のアリアが半々だった。

個人的にはアッティリオ・アリオスティのアリア’この海を’が音楽的表情が起伏に富んでいて印象的だった。

クラールは袖から舞台中心に歩いてくる時からフリをつけて出てくる(舞台衣装ではないのだが)。

歌う際も、パルランテ(語るように歌う)と朗々と歌う部分の切り替えが自然で上手い。それでいて、バロック歌唱の様式感が崩れることが全くなく感心したし、曲の良さが伝わってくるのだった。

指揮とオケは、CDと同じく、ヤロスワル・ティールの指揮、ヴラツワフ・バロック・オーケストラ。歌と指揮・オケの息はぴったりあっていて、かつ、互いに気心知れて伸び伸びと演じていて気持ちがよかった。

 

 

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