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2022年9月11日 (日)

ツェンチッチ・デビュー40周年記念リサイタル

ヘンデルがセネジーノのために書いたアリア集と題されたコンサートを聴いた(辺境伯劇場、バイロイト)。

オーケストラは、ペトルー指揮、アルモニア・アテネア。

前半は序曲、2曲のアリア、序曲、2曲のアリア。2曲のアリアの曲想が対比的になっているのは言うまでもない。

2年前にカールスルーエでもツェンチッチのヘンデル・アリアのリサイタルを聴いたのだが、曲は全く重なっていなかった。前半では

オペラ《ラダミスト》の 'Ombra cara'が出色の出来。

ヘンデルの ’Poro'は内容的には、ヴィンチの'Alessandoro nell'Indie'と重なるので、音楽祭への配慮も抜かりなくある選曲である。

休憩をはさんで後半。

2曲のアリア、序曲、2曲のアリア。

最終アリアの《ラダミスト》の 'Vile, se mi dai vita'  とアンコールの《ロデリンダ》の 'Se fiera belva ha cinto'はドラマ性において

圧巻だった。'Se fiera belva ha cinto'など、Youtube で他の4つの演奏と比較してみたのだが、ほぼ別の曲に聞こえてしまう。

テンポが早めというのもあるのだが、ペトルーの指揮により、低音部の音型がくっきりと浮かび上がり、曲が立体的に聞こえる。曲の構造が垂直的に立ち現れる。Ordinary な演奏も決して悪くないのだが、この演奏には鬼気迫る美がある。

このリサイタルは全曲が Arte.tv にその日からアップされているので当分はご覧になれるかと。

 

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