映画《笑いの王》
マリオ・マルトーネ監督の映画《笑いの王》を観た(イタリア映画祭2022,オンライン上映)。
19世紀から20世紀にかけてナポリのコメディを代表する劇作家で役者だったエドゥアルド・スカルペッタ。彼の一座が彼を中心にまわり、一方で私生活では妻の他に妻の妹や姪とも関係をもって子をなしている。不思議な大家族なのである。スカルペッタを演じるのはトニ・セルヴィッロ。あるとき、スカルペッタは、ダンヌンツィオの戯曲『イオリオの娘』を観て、そのパロディーを作り上演しようと考える。ダンヌンツィオに挨拶に行き、口頭での許可は得るのだが、実際の上演は妨害にあい、盗作と訴えられて裁判となる。その時に弁護してくれたのが、ベネデット・クローチェなのである。最後まで観ていると、この大家族、スカルペッタの姪の子供(父親はスカルペッタ)がエドゥアルド・デ・フィリッポであることが明かされる。19世紀から20世紀にかけての劇団の内部事情として観ても面白いし、ダンヌンツィオやクローチェといった文化人の描き方も実に興味深い。いろんな確度から楽しめる映画である。
マルトーネ監督はイタリア映画祭ではおなじみの監督だが、近年はオペラの演出もしているのでそちらで馴染みの方もいるかもしれない。
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