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2022年2月26日 (土)

サン・ジェンナーロのカタコンベ

Img_2499-2サン・ジェンナーロのカタコンベを観た(ナポリ、カポディモンテ)。カポディモンテは山の天辺という意味でナポリは海沿いはほぼ平らだが、内陸部にむかってしばらくいくと、坂道になりかなりの丘がずっと広がっている。この丘というか山はトゥッフォという地質で、丈夫なのだが、加工はしやすいという。ここに2世紀のころからキリスト教以前の墓があり、2−3世紀にかけてキリスト教徒の墓(カタコンベ)が作られていった。5世紀になって、ナポリの聖人・殉教者のサン・ジェンナーロがここに埋葬されたのが重要である。その後、サン・ジェンナーロ(その血がはいった器があり、その血が一年に何回か溶けるという)の遺骸はドゥオーモに移されたのだが、彼の遺骸は数百年にわたってこのカタコンベにあったのである。

お墓の大きさはさまざまでその壁に描かれた絵や模様が比較的よく保存されているものもある。初期の墓の部分には、女性が水につかっている絵があって、これは洗礼をうけ、他の宗教からキリスト教に改宗するプロセスを示しているのだろうということだった。

山を掘って作ったということもあって、カタコンベは上下二層になっていた。また、下の層には洗礼のための掘った施設(多角形のお風呂のような形)も残っていた。つまりある時期は、ここはお墓としてだけでなく、洗礼や祈りの場として、つまりは教会として使われていたのである。

ここが公開されるようになったのは、比較的近年のようである。ナポリ近辺にはポンペイやエルコラーノをはじめとして古代の遺跡は多いのだが、ここも一見の価値ありと信じる。交通機関のストのため、タクシーで行ったが市内から12ユーロほどで行けた。中心部ではないが市内にある遺跡なのだ。

 

 

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