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2021年8月30日 (月)

「ティンパニーとトランペットとともに」その2

太鼓とトランペットのその昔の軍楽は、何度か繰り返しやっていてもう一度観に行った。

1回目は、メンバーが広場の一隅にいたのであるが、今回は、黄金の屋根と言われる建物のバルコニー(建物の3階から突き出てて、黄金の屋根の真下である)にメンバーがいて、観衆は広場のカフェでコーヒーを飲んでいたり、立ち見だったりする。ここは歩行者天国なので自動車の来る心配はない。今回も子供がけっこういて、明らかに小学校前の3歳から5歳くらいの子が、トランペットや太鼓の音を聴きつつ走り回っている。兄妹らしき二人が追いかけっこをしていたり、姉弟が手をつないでぐるぐるまわっていたり、なぞのステップを踏んでいる男の子がいたりして、楽しい。曲が終わると、その子らも拍手するのである。まわりの大人が拍手するからではあろうが、親にうながされているわけではなく自然にというか自発的に拍手をしている。次の曲がはじまると、また走りまわったり、ステップを踏んだりしている。

非常に興味深い音楽との出会いだと思う。小さい子が音楽会で椅子の上に一定の時間じっと座っているのはなかなか厳しいものがあろう。この場合は、いつ来ても、いつ帰ってもよいわけだが、子供は案外あきる様子なく走ったり、踊ったり、ステップを踏んでいる。こういう基本的音階でリズムも明快な音楽は、身体にはいりやすいとも言えよう。

インスブルックは、町から空港が近いので、野外のコンサートでは時々、飛行機の爆音が割り込んでくるのだが、そういったことは些細なことに思えるおおらかさがこういった街角のフリーコンサートにはあるのだった。このティンパニーとトランペットのミニコンサートは最初に観た時とは少なくともメンバーが2人入れ替わっていた。今回は男性4人女性2人だった。

演奏された曲は、前回に聞いた記憶があるものが4曲はあったので、もしかするとすっかり同じかもしれない。

公園の東屋での古楽演奏とは異なり、こちらは係員もいないし、ペラのプログラムもない。立ち見の観衆がスマホで撮影するのもまったく自由である。あらゆる意味で開かれたコンサートなのだった。

 

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