パスクィーニ作曲《イダルマ》その2
パスクィーニ作曲のオペラ《イダルマ》のリブレットを書いたのはジュゼッペ・ドメニコ・デ・トーティスだが、彼はどんな人か。ウィキペディアやトレッカーニによると、1644/5にローマで生まれた。兄弟のCarlo Vincenzo はグッビオの司教となっている。1680年代半ばには枢機卿ベネデット・パンフィリに仕え、後、枢機卿ピエトロ・オットボーニに仕えている。教皇庁の仕事もしている。
文学者としては、Accademia degli Umoristi やあの有名な Accademia dell' Arcadia のメンバーとなり、彼の詞にパスクィーニやアレッサンドロ・スカルラッティが作曲している。1679年には五幕ものの悲劇 Elvimero を書いてスウェーデン女王クリスティーナに献呈している。この作品のプロローグは音楽付きであった。
さて、こういうデ・トーティスの経歴を見ると、枢機卿や教皇庁にお仕えし、当時の有名なアカデーミアの会員になり、というわけで、リブレットの内容もどんな宗教的あるいは寓意的、なんか堅苦しいものなのではないか、と予想する方もいるかもしれないが、まったくそれと正反対なのがおかしい。
一言で言ってしまえば、ドン・ジョヴァンニ的な女好きリンドーロがいて、妻がいるのに元カノを口説こうとする、という話なのだ。
詳しくはその3で。
| 固定リンク
コメント