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2021年5月29日 (土)

映画『我らの父よ』

イタリア映画祭2021の映画『我らの父よ』(クラウディオ・ノーチェ監督)をオンラインで観た。

ピエルフランチェスコ・ファヴィーノが主演の父役。バルバラ・ロンキがその妻を演じる。

物語は警察官の父(ファヴィーノ)を持つ少年の立場から描かれる。1976年のローマで鉛の季節。父は自宅前で左翼過激派の襲撃を受ける。応戦して過激派にも死者がでるのだが、それを少年は目撃してしまう。トラウマとなり、家族に護衛もつく。少年は屋根裏部屋?に架空の友人を持って、一人で対話したりしている。そこに謎の少年が現れ親しくなるので、この少年が架空の存在なのか実在なのかしばらくわからぬまま映画は進む。

主人公の少年がストレスをかかえ学校で不適応を起こし、一家は父の実家のカラブリアに避難する。海のそばで自然に囲まれた家。叔父や祖父母との生活。父はカラブリアとローマを行き来する。そこへ例の少年が現れ、最初は物置き小屋に隠れているがやがて家族とも話しをするので実在の人物とわかる。少年二人の友情と感情のもつれ、および謎の少年のアイデンティティーがキーになってくる映画だ。鉛の時代をこういう視覚から描くことが出来るようになったことにも感慨を覚えた。

ネット上で不正確な情報を見たので、言わずもがなの註。この映画の舞台となった鉛の時代は、左右の対立が激しく、右翼も左翼も武装闘争を展開しており、警察もその標的となったりした。警察官の父は、wikipedia によれば commisario ということで警察分署長である。イタリアの人気テレビ番組の『刑事モンタルバーノ』のモンたるバーノが commisario だったと思う。

最初と最後にヴィヴァルディの四季が、ピアノで、そしてサックスをまじえた吹奏で流れるのは、時の流れと認識の変化を体現していて見事だと思う。

 

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