ポルポラ作曲《Carlo il calvo》第二幕
ポルポラ作曲のオペラ《Carlo il calvo》第二幕のあらすじ。
第一幕と同様にアリアの後に、アリアの性格とバイロイトの上演でどんな場面になっているかの註を加える。
第一場:ジルディッペは母の命令にしたがいアダルジーゾと別れようとするが、くじける(アリア:Se veder potessi). 長いレチタティーヴォの会話の後のジルディッペ(レジネバ)の歌。4分の4.高度に技巧的。
第二場:ロタリオと息子アダルジーゾは王位継承について口論する(アリア:Taci, oh Dio!) アダルジーゾ(ファジョーリ)が父親ロタリオ(ツェンチッチ)の考えに同意できないと主張する歌。
第三場:息子アダルジーゾの非難はロタリオを狼狽させる。アスプランドはロタリオに気を強く持つよう言い、ロタリオはそうすることを誓う(アリア:Quando s'oscura). 8分の12.独特の波打つリズムの中、ゆったりとしたテンポでロタリオが歌う嘆きの歌。演出として、ロタリオがアスプランドと抱き合い、それをロタリオの妻が目撃しショックを受ける。ダ・カーポ・アリアだが、ABA' のAとBの曲想の差が小さい。
第四場:アスプランドは偽りの態度をとり続け、ジュディッタにロタリオの軍が宮殿を襲うと告げ、彼女をパニックに陥らせ、カルロを安全なところへ連れて行くことを申し出る(アリア:Temer della sorte).
第五場:ジュディッタは、正体を見破られないようにカルロを羊飼いに変装させ、アスプランドにゆだねる。
第六場:プログラムに記載なし
第七場:エドゥイージェとベラルドは、アスプランドがカルロをロタリオに渡したと報告する。ジュディッタはアスプランドを呪う(アリア:Tu m'ingannasti). このアリアが今回の上演では第二幕の最後の退場アリアになっている。激しい曲。
第八場:ジルディッペとエドゥイージェはベラルドにカルロを解放するよう求める。ベラルドは戦いにおもむく(アリア:Per voi sul campo).
8分の3.ベラルドの勇ましい歌だが、演出ではエドゥイージェやジルディッペとお茶を飲んでいる。
第九場:エドゥイージェはジルディッペに、ベラルドに恋していると認める。ジルディッペは彼女の恋心をうちあける(アリア・Amore è un certo foco).ジルディッペが恋とはこんなものと歌うアリア。楽しげで軽やかなリズム。
第十場:エドゥイージェはベラルドとの結婚に喜んでいるが、それが牢獄になるかもしれないとおそれてもいる(アリア:Il provido cultore).エドゥイージェが床に横たわって歌う。さらさらと流れるが魅力に富む。ABA'のBがAとはまったく性格が異なり短い。
第十一場:プログラムに記載なし
第十二場:ベラルドとジュディッタの兵がロタリオの居城の城門を襲う。アスプランドが防戦。ロタリオはバルコニーに現れ、ベラルドが引かねばカルロを目の前を流れるライン川に投げ込むと脅す。Youtube ではここからPart 2となる。何度か幕が閉じる場面はあるので、実際の上演でどこで幕切れになっていたのかは不明。演出では、カルロは自動車に乗せられ、アスプランドが銃を突きつけている。
第十三場:アダルジーゾは父の腕に倒れ込み、ベラルドにジュディッタを連れてくるよう命じる。その間に彼はカルロを保護する。ロタリオはアダルジーゾを叱責する(ポルポラのオペラ《エツィオ》からの挿入アリア:Se tu la reggia il volo).ロタリオの勇壮なアリア(《エツィオ》からの借用でツェンチッチお得意のアリア。
第十四場:アダルジーゾはすべてがうまくいくことを望む(アリア:Spesso di nubi cinto) 本来の退場アリアで華やかで技巧的。4分の4。ABA' のBは8分の3.
以上が第二幕のあらすじ、である。
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