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2020年4月28日 (火)

サクラーティの La finta pazza

フランチェスコ・サクラーティのオペラ La finta pazza (狂ったフリの女)をストリーミングで観た。

フランスのディジョンのプロダクションだが、ストリーミングで観られるのは1日だけだった。時節柄、雑多な仕事をしながら、画面を観たり、耳だけ傾けたりで、集中して観たわけではないのだが、二度ほど見流すというか聞き流した。

サクラーティは、1605年生まれ、1650年没なので大雑把にはカヴァッリやチェスティの世代の人と言って良いだろう。音楽も、大まかにはそんな感じだが、重唱に魅力的な曲が多い。男同士の重唱もあるし、幕切れは、登場人物が集まっての合唱で終わると見せて、カップルの二重唱で終わるーモンテヴェルディのポッペアの戴冠を想起させるーのだった。

指揮はアラルコン。ストーリーはヘンデルの『デイダミア』などと共通の話で、アキッレの父は、神託でアキッレがトロイ戦争で死ぬというので、女装させてよその王様に預ける。そこの王女がデイダミアで恋仲になる。ヘンデルの版と異なり、サクラーティでは二人の間には子供がいるのだった。

そこへウリッセがやってきて、アキッレが男であることがバレる。戦争に行くことになるのだが、デイダミアは必死にそれを止めようとして気が触れたフリをする。

このアキッレが女装で育てられ、ある時点で男であることがバレてしまう、という主題は有名で、多くの絵画作品にも描かれているし、多くのオペラ(バロックオペラ)で扱われている主題である。

デイダミアの歌手がなかなか良かったが、指揮も、他の男性歌手もよく、こういったマイナーな作品が地方の劇場で上演されるところにフランスのバロック・オペラ上演の厚みに圧倒される思いがした。

 

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