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2020年2月20日 (木)

James Hall & Mahan Esfahani リサイタル

James Hall と言うカウンターテナーのリサイタルをMahan Esfahani のチェンバロ伴奏で聴いた(カールスルーエ、クリストゥス教会)。

このリサイタル、予定ではカウンターテナーが Cameron Shahbazi のはずだったが、病気のため、急遽、James Hall に変わった。町ではShahbazi とEsfahaniの並んだポスターを見かけた。開演前の主催者側の挨拶でHallが与えられた日数は3日だったと言う意味のことを言っていたと思う。

曲目が大幅に変更になるのかと思ったら、ほぼ予定通りで、何曲かが省略されただけだったのは、Hall の力量をたたえねばなるまい。

Hall はRoyal College of Music で学び、グラインドボーン音楽祭では、ヘンデルの『リナルド』の魔術師クリスティアーノでデビューしたと言う。

非常に透明感のある声で、かつ高音域に素直に伸びていく。聴いていて気持ちの良い声である。音楽表現は曲によるし、今回は準備期間が特殊事情で短いのでそのあたりを考慮しなければいけないと思うが、パーセルなどは綺麗に聞かせようと言う傾向がうかがわれ、ヘンデルにおいてはやや劇的な表現を取っていた。もともとの曲にそう言う違いがあるとも言える。パーセルでは半音階的な進行の際に、音色の変化を加え、豊かな表情を与えているのが印象的だった。

チェンバロのMahan Esfahaniは以前に同じところでリサイタルを聴いたがイラン出身のチェンバロ奏者で、流麗さを追求すると言うよりは、構築的にバリバリと弾き進めるタイプである。教会という場所からそうなるのは必然なのだが、残響がとても長く、歌手にとってはバロック曲は歌いやすい面があると思うがチェンバロは速いパッセージになると音がかぶってしまうのだった。

プログラムは、

Antonio Caldara (1670-1736) のSoffri, mio caro Alcino,  Henry Purcell(1659-1695) のMusic for a while, One charming night,  John Blow (1649-1708)のA Pastoral Elegy,  チェンバロで Johann Pachelbel (1653-1706)のCiaconna, G.F. Handel (1685-1759)のVedendo Amor (HWV175), PurcellのIf music be the food of love, Eegy on the death of Mr John Playford, チェンバロでDomenico Scarlatti (1685-1757)のSonata K87, K534, Handel のSon stanco, ingiusti Numi...,  Deggio morire, o stelle (Siroe から)。

その他、アンコールが2曲。

盛大な拍手を浴びていた。

 

 

 

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