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2019年8月18日 (日)

オペラ《メデア》

ケルビーニのオペラ《メデア》を観た(ザルツブルク祝祭大劇場)。フランス語上演だったので《メデ(ー)》と言うべきかもしれないが。

ストーリー的には無論、ギリシア悲劇が元になっているが、オペラの台本としては、ピエール・コルネイユの《メデー》(1635)を元に、フランソワ=ブノワ・ホフマンがリブレットを書いたものである。

指揮はヘンゲルブロックでウィーンフィル。ヘンゲルブロックの指揮は総じて早めで、終幕などは相当にテンポを上げて攻め込む感じだったがウィーンフィルはよく応えていた。難を言えば、テンポの速さとバーターになる面もあるかもしれないが音色の変化にはやや乏しい面があった。

演出は、ギリシア悲劇を現代に持ってくるというもので、序曲の間にイアソンとメデアと2人の子供の家庭生活がスクリーンで映し出される。そこへ第三の女性ディルセが現れる。

第一幕はディルセとイアソン(ジャゾーネ)の結婚式がまもないのだが、ディルセはイアソンの前妻が気になっている。ディルセの父クレオン(コリントの王)はメデアがやってくるという情報を得て阻止しようとするがこの日の演出では皆現代服で、メデアの到来を阻止するのは空港でのことなのだった。

第二幕ではネリスという侍女がメデアの2人の子供の面倒を見ている。

第三幕ではディルセが死に、その死をイアソンが嘆くのを見て、メデアは子供を道連れにして死ぬ。

この曲が作曲された1797年という時期を考えると、オケの編成は楽器も含め様々な可能性がありうる曲ではないだろうか。今回のヘンゲルブロックとウィーンフィルは大劇場ということもあり大編成で大音量のオケであった。

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