『月を買った男』
パオロ・ズッカ監督の『月を買った男』を見た(イタリア映画際、有楽町・朝日ホール)。
ユーモラスであり、アレゴリカルなストーリーを持った映画だ。世界の諜報機関にサルデーニャの男が月を手に入れたという情報が入る。その男を調べるために、ある若者が選ばれ、完璧なサルデーニャ人になるための訓練を受ける。これが前半で、モーラと呼ばれる独特のジャンケンや、酒を飲む姿勢などを、サルデーニャから本土に亡命?してきた男に仕込まれる。
若者はクックルマル村にやってきて、サルデーニャの不思議な習慣に遭遇し、大失態の果てに、月を自分のものにしたという老人に遭遇する。そこからの展開は、詩的でもあり、コミカルでもあり、風刺的でもある。月の世界には、サルデーニャ出身のグラムシがいたりするのだ。
月が表象するのは、希望であったり夢であったりするのだろうが、現代の物質主義の世界ではそういったものが窒息寸前でそれを回復するのは至難の技だということがこの物語では寓意的に語られているのかもしれない。
監督の住まいはオリスターノの近辺で、月の場面はそのあたりで撮影されたとのことだった。
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