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2019年1月13日 (日)

コンクール番組

年末・年始にかけて コンクールに関する番組を4本観た(NHK Eテレ)。

4本という数え方は正確ではないかもしれない。日本音楽コンクールは声楽やヴァイオリン、ピアノ、クラリネット、トランペットに分かれているからだ。あとの3つは、ショパン・コンクール(数年前の再放送)とショパン・コンクールの古楽器版と左手のためのピアノコンクールだった。
ショパン・コンクールでは、奏者だけでなく、ピアノメーカーおよびその調律師の熾烈な戦いもあるのだと知った。具体的にはスタインウェイ、ヤマハ、カワイというピアノメーカー(およびその調律師)が、決勝進出者、そして優勝者に自社のピアノを使ってもらいたいと願い競争しているわけだ。
古楽器(ショパンの当時の楽器あるいはそれをコピーした楽器)を用いたショパン・コンクールも、ピリオド楽器への一般聴衆への浸透がここまできたのか、あるいはこの時代にまで来ているということを示しているし、また実際聞いてみると、フォルテピアノから現代のコンサートピアノというのは、ものすごい勢いで進化・変化したので、例えばモーツァルトの時代とベートーヴェンの時代、さらにはショパンの時代で違うし、もっと言えばベートーヴェンの時代の中でどんどん鍵盤の鍵の数が増えるし、フェルトの素材やフェルトと皮の組み合わせも工夫が凝らされて行ったわけである。作曲家が使っていた当時の楽器(またはそのコピー)で聞いてみたいという気持ちはよくわかる。だからピアニストにもこういうピリオド楽器を専門とする人が出てきつつある。
左手のピアノのコンクールは、歴史的にはヴィットゲンシュタインが第一次大戦で左手だけになってしまって多くの作曲家に委嘱して左手だけで弾くレパートリーがあるわけだが、現代の左手のコンクールの出場者は様々な原因で右手が思うようには動かなくなり転身している人たちだ。このコンクールはアマチュア部門とプロ部門に分かれていてプロ部門ではタイからの出場者もいた。身体の不自由さと、こういうジャンルがあることでの希望とが何人かの出場者に対する丹念な取材とともに描き出されていて見応えがあった。つまり、安易なストーリーに落とし込まず一人一人が抱えてきた困難のあり方の違いが見えてくるのだった。
日本音楽コンクールは、若い人たちが真剣に音楽に向き合っている様はよろしいのであるが、ピアノやヴァイオリンでレパートリーにあまりに20世紀のものが少ないのが気になった。ピアノはラヴェルの協奏曲 を弾いた人が複数いたがそれ以外のものは無し、ヴァイオリンではバルトークの協奏曲を弾いた人が1人いただけなのだ。バルトークもプロコフィエフも今や全く古典だと思うのだが。。。
(お断り)全て録画した見た番組なので、放映の順番とは一致していないと思います。

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