マテウッツィのマスタークラス(1)
ウィリアム・マテウッツィのマスタークラスを聴講した(国立音大)。
今さらではあるが、国立音大は現在のキャンパスは玉川上水(モノレールまたは西武拝島線)が最寄り駅で、筆者はモノレールで行った。
東京都は地下鉄がはりめぐらされた都心部は別として郊外は南北の移動が相対的には不便だ。線路は都心部に向かって(東西に)走るものが多い。
このマスタークラスの存在は、知人がFacebook でアナウンスしているのを見て初めて知ったのだが、何年も前からやっているらしい。しかも一週間毎日長時間やっているのである。月曜日から金曜日までは10時45分から6時まで。土曜日が午前レッスンで午後公開マスタークラス。
筆者は木曜日、まるまる聴講させていただいた。結論から言えば、個人的には非常に多くのことを学べ収穫が大きかった。
レッスンは1人45分。午前3人で、昼食時間が入り、午後は2人レッスン、休憩ののちさらに2人で合計7人。長丁場である。それを毎日一週間やるのはすごいことだと思うが、逆に言うと、これは観客に見せるためのマスタークラスではなく、音大生(院生も含む)のためのマスタークラスなのだ。だから、ほとんどの人が1曲のアリア(レチタティーヴォを含む場合や、3人での掛け合い部分含む場合あり)を45分かけてじっくりと習う。発声に不具合が生じた場合、何度も何度も、繰り返して学生・院生にやらせる。マテウッツィの場合、自分が歌手なのでどうマスケラに響かせるのかを実演して見せるので実にわかりやすく、かつ納得がいく。
マスケラというのは、仮面という意味があるように、口より上、鼻、目、額のあたりであるが、ここを響かせるようにと何度も指摘がある。しかしそこに注力して鼻声になりすぎてはいけないのだった。
マテウッツィは当然イタリア語で語るのだが、ピアノ伴奏の高島理佐氏が的確に訳して学生(以後、大学院生も含めて学生と呼ぶ)に伝えてくださる。
会場は、講堂の第一リハーサルというところなのだが、小ぶりの体育館くらいの広さで、さすが音大だと思ったのは、壁も天井も木で実に響木が良い。かつ、天井も壁も平面ではなく、例えば天井は4つの山ができる形でウネを作っている。壁も同様で、平らではなく、かつ1つおきに細かく孔のあいたパネルを配しているのだった。
個別のレッスン内容は続きで。
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