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2018年8月26日 (日)

《魔笛》

モーツァルトのオペラ《魔笛》を観た(ザルツブルク大劇場)。

指揮はコンスタンティノス・カリディス。ギリシア人で、非常にメリハリのはっきりした指揮。極端なまでに早いところは早い。ハーディングが《ドン・ジョヴァンニ》演奏にもたらした変化と最近評判のクルレンツィスを思い起こさせないでもない。指揮する姿はどこかショルティにも似ていなくはないのだった。
演出はリディア・スタイア。劇全体をおじいさんが3人の孫に聞かせる物語という枠組みを設定し、おじいさんと孫たちのやりとりを新たに加えている点が独自であり、解釈としてのポイントだろう。だから、最初のタミーノ登場も、子供達の寝室でおじいさんが読み聞かせをしているところに窓からタミーノが逃げ込んでくるのだ。
歌手はそれぞれに健闘していた。オケも良い。この解釈が最上かどうかはともかく1つの解決法であり、楽しめるものにはなっていた。タミーノとパミーナの結婚式の場面で一面に第一次対戦の戦闘シーンや負傷兵の姿が次々に映し出されたのは印象的で、そういえば第一次大戦終結100周年である。

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