ランチ・コンサート
インスブルック音楽祭のランチ・コンサートを聴いた(インスブルック)。
今回の滞在で聞く曲目の中ではこのコンサートが一番古楽らしいものが揃っている。
ダリオ・カステッロ(ー1630)のソナタ7、8番。
G.B.フォンターナ(1571−1630)。
ビアジョ・マリーニ(1594−1663)。
モンテヴェルディ。
ジョヴァンニ・ピッキ(1572−1643)。
生没年からわかるように、モンテヴェルディの同時代人及び少し後輩にあたる人たちだ。
当然といえば当然だが、著名な作曲家や文学者が出る時に、1人だけ彗星のごとく現れることは稀で、その同時代や前後に多くの同業者がいるものだ。
音楽祭の良いところ、あるいはよく考えられたプログラムの良いところは
既知の作曲家(あるいは曲)と多くの人にとって未知の作曲家(あるいは曲)を
結びつけて、聞くものの音楽世界を一回り広げてくれることだ。
このコンサートの奏者は3人で、チェンバロとリコーダーとドゥルツィアン(ファゴットの前身)。
ドゥルツィアンは小さめのものに持ち替えることもあった。
リコーダーがビルギット・ピルヒャー。チェンバロがマルコ・ヴィンチェンツィ。ドゥルツィアンが
パオロ・トニョン。
2人で演奏する曲もあったがほとんどは3人での演奏。
演奏会場は、王宮公園のパヴィリオンで入場は無料。パヴィリオン自体が開け放たれた空間なので、建物の中に椅子がならべられているが、近くにいれば音楽が聞こえてきたことだろう。
無料なので市民に開かれているわけだが、内容は凝ったものなので、時間前に立ち見まで出ることに驚きを感じた。
ドゥルツィアンを生で聴いたのは初めてだったが、飄々として味わいに富む。リコーダーの澄み切った音色とは対照的であり、チェンバロと3者が組むと、単調に陥らずに音楽の表情に変化があり、大いに楽しめた。
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