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2018年8月14日 (火)

《ミサ・クリオッラ》

インスブルック音楽祭で《ミサ・クリオッラ》を聴いた(イェズイット教会)。

ペルーやボリビアの18世紀や17世紀の宗教音楽(作曲者不明のもの)とCodex Martinez Companonや Codex Zuola からのもの、1959年生まれのエドアルド・エゲスによるもの、そして最後にアリエル・ラミレス(1921−2010)のミサ・クリオッラ(1963)。
南米におけるカルミナ・ブラーナ的なものといえば良いのだろうか。南米の民族音楽及びその楽器とヨーロッパの教会音楽の混交。実に不思議な音楽であった。
途中にアカペラの曲が1つあって、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア(イタリアの北部)合唱団の声が壮麗に響いた。教会の音響は、音響的には今更ではあるが、アカペラにふさわしいのを痛感した。反響音・ 残響音が長いので、楽器で早いパッセージにはあまり向かないわけだ。
 このところ、バロック音楽に沈潜している時間が長いせいか、対位法的な要素がないと音楽的に物足りなくなっているのを感じ、苦笑を禁じえなかった。
 しかし会場は大いに盛り上がり、拍手に包まれていた。

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