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2018年8月29日 (水)

行きあたりばったりのオルガン・コンサート

予定外のオルガン・コンサートを聴いた(ザルツブルク大聖堂)。

ザルツブルクはさほど大きな町ではないので、旧市街の見所は2、3日もあれば一通りは見られるだろう。音楽祭の合間に街をぶらぶらして、モーツァルトの住居(住んだ家と生家と両方がザルツブルクにはある)を何度も訪れたりしている。
今回気が付いたのだが、メインのザルツブルク音楽祭とは別に地元の教会やミラベル公園や宮殿で音楽会が催されている。
なんという目的もなく大聖堂へ歩いていくとお昼のオルガンコンサートをやるというので入った。料金は5ユーロ。12時5分開始というのが中途半端だなと思っていたら、12時には教会の鐘が鳴るので鳴り止んでからという意味だとわかった。
曲目は3つ。最初の1曲と後半の2曲では弾くオルガンを使い分けていた。
1曲目は教会の中央に近い壁についたHoforgel で演奏され Franz Xaver Schnitzer (1740-1785)のSonata V ロ長調、作品1、5。マイナーでローカルな作曲家だが、年代的にもモーツァルトに少し先立つ世代。ソネチネ・アルバム風の曲。それがオルガンで弾かれると、音がかぶって聞こえるがご愛嬌。
2曲目と3曲目は教会の出入り口の上方に聳えるようにある大オルガン(Grossen Orgel).2局目は、ヨハン・セバスティアン・バッハ(大バッハ)のイギリス組曲第三番、BWV808。この日の演奏者・オルガニストのマティアス・ロートによる編曲。
3局目はメンデルスゾーンのソナタ第四番、ロ長調。作品65、4。最終楽章はアレグロ・マエストーゾ・エ・ヴィヴァーチェとあったが、大オルガンの重層的な音響に圧倒された。
今回、ニュルンベルクの聖ロレンツ教会でもたまたまオルガンを聞く機会に恵まれた(オルガニストが練習していたのかもしれない)が、教会のお堂の空気全体が振動しているのは体感しなければ経験できない音だ。方向性も曖昧になるし、低音は、花火などは別として、楽器の楽音としてこんな低い音はないだろう。オーディオ装置での再生は、いくら大画面と言っても建築物の大きさは実際に見上げたり、その建物の中に入らないと実感できないのと同様だ。
何度も教会の音を経験した上で、オーディオ装置の音から実際はこう響いているだろうと逆算するしかない。人間イコライザーだ。
音響はともかく、バッハからバッハの末息子より5つ年下のシュニッツァー、そしてロマン派のメンデルスゾーンと面白いプログラムだった。
こういうものを気軽に聞ける環境も豊かだと思った。明らかに観光客たちが気軽に入って聞いていた。

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