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2018年8月17日 (金)

ニコラ・アライモ:Gran Scene Rossiniane

バリトン歌手ニコラ・アライモのリサイタルを聴いた(ペーザロ)。

このリサイタルは極めてテーマ性の高いリサイタルでグラン・シェーネ・ロッシ二アーネ(ロッシーニの複数のグラン・シェーナ)と題されている。グラン・シェーナについては当ブログの前項を参照していただければ幸いであるが、単なるアリアではなく、相当に大掛かりなアリアの特殊形態である。前奏、レチタティーヴォの後、カヴァティーナ(短い歌唱)があり、そこでいったんまたレチタティーヴォや合唱で遮られたのち、アリアに入る。この一連の要素があるのでかなり長大な拡大アリアになるわけだ。これをグラン・シェーナ、複数はグラン・シェーネと呼んでいる。
今回のリサイタルでは主に男性合唱とニコラ・アライモの組み合わせで4曲のグラン・シェーナの演奏が披露された。このプログラムは、先のレクチャーの概念と密接に関連しているわけで、ニコラ・アライモや合唱団の声の妙技を味わうことと、グラン・シェーナとはどういうものであるかを知らしめる啓蒙的な演奏会であるとが同時に成立しているわけだ。
演奏されたのは
《トルヴァルドとドルリスカ》の序曲
ドゥーカのアリア(グラン・シェーナ)’Cedi...Indietoro,Ah qual voce d'intorno rimbomba'
《マホメット2世》から合唱’Dal ferro dal foco' とマホメットのカヴァティーナ’Sorgete, sorreggete'
《ランスへの旅》ミロードのアリア’Invan strappar dal core' この曲の場合は、アリアの途中で女性合唱が入る。
《セミラーミデ》序曲
シェーナ’Il di gia cade' 合唱’Ah! La sorte ci tardi' アッスールのアリア’Deh...ti ferma...ti placa'
各曲の前に司会者レーモ・ジローネがそれぞれのアリアがどういうオペラのどんな場面かという簡潔な説明と、ロッシーニ自身の音楽観(音楽はatomosfera moraleを表現するもの)を紹介していた 。
アンコールは3曲演奏されたが、グラン・シェーナではないもので、《ギヨーム・テル》で
息子を思う切々たる歌や。対照的に《チェネレントラ》の父のコミカルな歌が披露され、アライモの芸域の広さをたっぷりと堪能することができた。

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