《環状線の猫のように》
リッカルド・ミラーニ監督の《環状線の猫のように》を観た(イタリア映画祭2018,有楽町・朝日ホール)。
ローマの中心部に住みシンクタンクで働く父親とその娘が一方にいて、もう一方に、ローマの郊外で様々な人種が混交して住む地区の母と息子がいる。子ども同士がつきあい始めたことで、どちらの親も心配になり、尾行しているうちに親同士が知り合うというストーリー展開。
シンクタンクで働く父親は、大都市の郊外問題を仕事の対象としているのだが、実情は知らなかった。それが娘の交際をきっかけに住民と関わりをもたざるを得なくなる。
コメディなのだが、コメディーを通じて社会問題をストレートに差し出している。イタリアにはこういう社会問題を扱ったコメディでよく出来たものが多いと思う。《やれば出来る》(精神病棟を解放して彼らがどう働き場所を持つかもそうだったし、《明日のパスタはアルデンテ》も、同性愛の問題をコメディータッチで描いていた。プログラムで監督と主演女優が語っていることだが、コメディーのほうがストレートに多くの観客に社会問題を届けることが出来るわけだ。納得。
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