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2017年4月23日 (日)

『バッハ・古楽・チェローアンナー・ビルスマは語る』その3

まだ続きです。

現代のチェロとバロックチェロは何が違うのだろうか?
ビルスマによると、「ふつうの寸法のチェロはね、ストラディヴァリが1710年頃に開発したんだ。それまでのチェロは、。。。一回り大きくて『バセット』と呼ばれていた。『ヴィオローネ』と呼ばれることもあったらしい」
アメリカのスミソニアン博物館にあるセルヴェと呼ばれるストラディヴァリウスもこの一回り大きなチェロだ(1701年に製作)。こういう古いタイプの大型チェロはほとんどが改造されてしまいオリジナルの大きさをとどめているのは極めて稀であるとのこと。
楽譜屋に関する話も興味深い。
1960年代に付加価値税が導入されると、2年経過したことには
中古楽譜屋が消えてしまった。付加価値税に伴う煩雑な事務手続きに
たえられなかったらしい。
バロックチェロからモダンチェロの変化についてはかなり詳しく叙述されている。
エンドピンの付加。
スティール弦の採用。
トゥルト・モデルの弓の登場。
ピッチの上昇。
演奏法としては
ヴィブラートの使用
開放弦の使用を避けること
弓の返しを聞こえないようにすること。
がある。
ガット弦はスティール弦よりも切れやすい。だから
演奏がより慎重になるし、ボウイングの技術を
必要とする。
渡邊(敬称略)によれば、チェンバロも同様でチェンバロの弦を
はじく爪(プレクトラム)には鳥の羽軸(クイル)が使われていたが
現代はプラスティックの爪がほとんどで
学生に彼の楽器を弾かせるとすぐに爪を壊してしまうという。
バッハ時代と現代では弓も変化した。
バッハの時代は木材が堅く、毛は緩いものだった。
現代は毛をピンと張る代わり木材は弾力性のあるものになっている。
ボウイングについても詳しい。
ダウン(弓元から弓先)とアップ(弓先から弓元へ)があり、
ダウンは開始で重く、重い音から柔らかい音へとデクレッシェンドする。
アップの場合は柔らかい音で、次第に大きな音になって行く。
つまり、一定の音量で、均一に弾くものではない。
それが現代の弦楽器は、弓の返しがなるべく目立たないようにして
音も均質に弾くことが良いとされている。
古楽器やピリオド楽器を聴き慣れてくると気がつく違いが
どこから来ているのか実によくわかるのだが、こういった具体的説明が
まだまだある(オクターブや3度で共振するか、ほとんどしないか、など)。

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